東京オリンピックの開催が迫る2021年7月にコロナ罹患し入院治療を受けた、4歳の男女の双子と10カ月の乳飲み児3人の母で育休中の餡蜜桃子さん。その後夫も罹患し、餡蜜さんとは別の病院に入院します。一足先に退院した餡蜜さんは子ども達と隔離生活に入りますが……。餡蜜さんの1カ月にわたるコロナとの持久戦の記録を8日連続でお届けします。

※本記事は2021年7月時点のケースです。行政の指針や対応が現在と異なる部分があります

餡蜜桃子さんのInstagramより。素敵写真と3児の育児についての生活感溢れるコメントとのギャップが魅力

 


一番下の息子が発熱、双子も頭痛と鼻水が


私が発症してから3回目の土曜日の朝方、隣で寝ている次男の様子がなんだかおかしい、体がすごく熱いのです。「まずい、発熱だ!」と飛び起きました。それと同時に自分はものすごい寒気に襲われていることにも気付きます。これはあの時と一緒、熱が上がるサインかも……。まずは次男の体温を測ります。どんどん上がる数字、止まってよ……という願いは叶わず優に38度を超えました。「どうしよう……ずっと家にいたんだもの、風邪ではない、コロナなんだ……」と泣きそうになります。そしてどうでも良かったけど自分の熱もついでに測ると37度後半の微熱がありました。

時間はまだ5時台。でも、もうどうしていいのかわからなくて。兎に角状況を共有して誰かに判断してもらいたいという一心で都の発熱相談ダイヤルに電話しました。こんな時間でもすぐに出てくれるのですね、電話口では女性の担当者が詳しく話を聞いてくださり「わかりました。でもお住まいの保健所に動き方を決めてもらう必要があるので保健所が開く9時にもう一度お電話をください。もしその間に容体が悪くなるようなことがあれば迷わず救急車を呼んでください」と言われました。

長い長い時間でした。次男は幸い食欲はあり、朝ごはんを普通に食べ、おっぱいもいつも通り飲んでくれてはいるものの、苦しいらしく寝付けないので珍しく終始泣いていました。何が苦しいのか、まさか肺炎なのか、目と耳を凝らして観察し、熱も頻繁に測り事細かにメモしていきます。

やっと9時になりました。発熱相談ダイヤルに電話を入れ、そこから最寄りの保健所に繋いでもらいます。すぐに保健所の方から電話があり「まずはお子さんの診察とPCR検査が出来る病院を探します」とのことでした。「上の子ども達が隔離期間中ですが、家に置いていくわけにはいかないので病院に行く際には彼らも帯同することを許可していただけるところにしてください」と重ねてお願いをします。

しばらくして「なかなか赤ちゃんを看れる先生が見つからなかったのですが、ここの先生が時間外でなら診てくださるとのことなので17時に向かってください」と連絡が入りました。自宅からそう遠くない場所だったので安心しました。ここなら歩いて向かえます。

もう何もかもが心配過ぎて、だんだん上のふたりの体調についても気になってきました。長女は元々よく頭が痛いと言う子なのですが、その日は特に痛いと言っていたり、長男もよくよく思い返してみると2日ほど前からうっすら鼻水が出ていることがありました。もう絶対にみんなコロナだ。私がコロナになんて患ってしまったから大切な子ども達にまで……。

もちろん何十人で集まってパーティーをしたりとかそんなことはありませんでしたが、月に2~3回は友人と自宅や近所でランチをすることもあったし、母とデパートへ買い物に行くこともありました。夫も仕事柄多くの人に会ったり、食事を共にする機会もありました。でももっともっと気をつけられた。気をつけるべきだったのに。

そうでなくてもずっとエアコンの効いた室内にいて暑いのか寒いのかわからなくなっている上に自身の発熱に伴う寒気も相まってこれからどんなことが起きてしまうのか、怖くて背筋が凍る思いでした。結局次男はお昼もよく食べたけれどずっと苦しそうに泣いていて早く17時になることを願うばかりでした。