東京オリンピックの開催が迫る2021年7月にコロナ罹患した、4歳の男女の双子と10カ月の乳飲み児3人の母で育休中の餡蜜桃子さんは、次男を「付き添い人」として入院します。退院が視野に入ったところで、今度は自宅待機中の夫が陽性に。しかも夫と双子は同じ病院内の別の病棟に入院することに……。餡蜜さんの1カ月にわたるコロナとの死闘の記録を8日連続でお届けします。

※本記事は2021年7月時点のケースです。行政の指針や対応が現在と異なる部分があります

餡蜜桃子さんのInstagramより。素敵写真と3児の育児についての生活感溢れるコメントとのギャップが魅力

 


退院できるかもしれない?


翌朝目が覚めるとやっぱり双子のことが心配で、そうだ、私が今日退院出来ないだろうかと思い立ちました。入院した時に発症してから10日、且つ熱などの症状が治ってから72時間が経過(※参考資料:厚生労働省公式サイト)することが条件と言われており、予定では2日後に退院することになっていました。でも子どもが絡む事情だしきっと受け入れてくれるのではないかと思ったのです。

夫と双子が家を出るまであと3時間ほどあります。ここから自宅へは車で30分程度、急ぎ動けば夫とバトンタッチで双子と家で過ごせるかもしれない。まずはナースコールを押しました。基本ナースコール越しで話さなくてはならないのですが、状況を察知した看護師さんが「すぐにお部屋に伺います」とやって来てくださいました。

「状況はわかりました。医師と関係部門に急ぎ相談してみますね」とすぐに動いてくださることになりました。忙しいのに本当にすいません、と頭を下げます。

しばらくして先程の看護師さんから「医師は退院していいと言っているのですが、まだ餡蜜さんは発症から10日経っていないので公共交通を使ってお帰りいただくことが出来ないんです。なので保健所に相談して車を手配してもらってください」との回答がありました。

退院出来そう! 看護師さんに御礼を言い、すぐに保健所へ連絡しました。が……今日は土曜日、保健所は閉まっており電話が繋がらないのです。どうしよう。途方に暮れます。

そういえば保健所とのファーストコンタクトの時も土曜日で「電話は繋がらないけど自分たちは出勤している、もし体調が悪くなった時にはこちらに電話してほしい」と聞いていた電話番号があったことを思い出しました。すぐにそちらにかけてみます。

そこは東京都の発熱相談窓口でした。用件が違くて申し訳ないとお詫びした上で事情を説明したところ「自分たちからお住まいの区の保健所に連絡を取り電話を入れてもらうようにしますね」と言ってくださったので、こちらでもほんとにほんとに有難うございますと言葉の限りの感謝を伝えました。もう本当に絶対忙しいのに「業務外です!」と突っぱねず対応してくださってただただ有難たかったのです。