副業に精を出すハリウッドセレブたちの間で最近ブームなのが、料理番組への進出。コロナ禍のステイホームで料理への関心や需要が高まったこともあり、セレーナ・ゴメスやキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモアなどなど、多くの有名スターたちが料理番組に出演したり動画を配信したりしています。

そんな中、Netflixで8月4日から配信スタートされた、「Cooking With Paris」(邦題は『パリスとお料理』)。2000年代初期に、おバカキャラのお嬢様として一世を風靡したパリス・ヒルトンが毎回ゲストを呼んで一緒に料理するだけの番組なのですが、これがめちゃくちゃ面白いのです。

写真:REX/アフロ

1. 「実は料理は得意」とうそぶくパリスだけど、ホスト役のくせに、毎回難しい調理のパートはゲストに丸投げが基本。

2. 用意されたレシピを毎回ガン無視し、何の料理にでも「キラキラして楽しいところが私らしいから好き♡」と、カラフルなチョコスプリンクルとグリッターパウダーを振りかけまくってはパリス流にアレンジ。何かを思い出すな……と思ったら、速水もこみちさんの〝追いオリーブオイル〟でした。

 

3. キッチンで愛用するのはスワロフスキーで飾られたフライ返し(!)に、チェリーをかたどった計量スプーン、ハート形のカッティングボード、と、期待を裏切らないパリスワールドが炸裂。見ていて楽しいけれど、どう見ても実用的ではなさそうで、本人も「料理には向かないわね」とボソッ。

4. 毎回、キッチンで13センチくらいありそうな高いピンヒールを履き、足が痛くならないのかと尋ねるゲストには「美は痛みなのよ」と返答。動きにくそうで高級そうな服で着飾り、動くたびに羽根が舞い散るフェザー付きの服や、料理中の器に入りまくるフリンジ付きのミニドレスを汚しては、「クリーニングに出さなきゃ(怒)」とキレるパリス。ハンバーガーのパテをこねるときでさえ、指なしグローブを頑なに外さないのは何のこだわりなのか。

「Cooking With Paris」の予告動画。ハンバーガーのパテを焦がしたり、お菓子のフィリングが固まらなかったりと、ハプニング続出。第一回目のゲストには旧友であるキム・カーダシアンが登場するのですが、今や大スターであるキムがパリスに指示されて料理している姿にふたりの力関係が伺えて興味深かったです。

とまあ、そのどこまでもが、パリスによって完璧に演出されたパリス・ヒルトンを、パリス本人がこれまた完璧に演じている感じ。彼女をスターに押し上げたのはこの自己プロデュース能力の高さだったよなあ、と改めて思い出させられます。

この20年でいろんなものが変わってしまったけれど、パリスはいつまで経ってもピンクとキラキラが好きで「That’s Hot(それってイケてる)」が口癖の、安定のパリス。40歳になってもコロナ禍でも、変わらぬパリス節を貫くパリスに、ここだけ2000年代初期にタイムリープしてしまったのかと錯覚してしまいそう。

「可愛い>美味しい」という価値観で作られた料理は(グリッターをかけたりとか)どう見てもまずそうなのに、完成した料理を食べたゲストが「めっちゃ美味しい!」と最後は毎回感動して終わる不思議(笑)。七面鳥をはじめとするどのディッシュにも、シャネルやグッチのロゴを突き立てて飾り付けていて、あれは企業コンプライアンス的にOKなのかというのも気になります。

そんな、ツッコミどころ満載な「パリスとお料理」。全6回で1話も短めなので、辛気臭いドラマはちょっともうしんどい、というときの現実逃避におすすめです♡


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