残暑が厳しい毎日ですね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

今日はいつもと趣向を変えまして、私の大好きな陶芸家・稲垣美穂さんをご紹介します。

稲垣さんは工芸書の編集者を経て独学で陶芸をはじめ、近年ではイギリスやイタリアの大きな陶芸の展示会に参加されるなどして、活躍されています。

そのユーモラスな作品群は、一度見たら忘れられず、目が合うと連れ帰りたくなる、そんな可愛い子たちなんです。まずは見てみてください。
 

伝説の生き物? 妖精? 頭に被るのは王冠? こうした見る人の想像を掻き立てる作品をたくさん作られています。作品名「creature 15」 H25×W14× D12 ¥33000 *文中のサイズ表記は、H=高さ、W=横、D=奥行き(以下同)
こちらは猿かしら? 稲垣さんの作品は手捻りでなく全てろくろで作られているのだそう。ただし、どんなものが出来上がるのかはご本人も仕上げてみないと分からないのだとか(笑)。作品名「Creature 10」H20×W16×D13  ¥33000


ふふふ。可愛いでしょう。必ず何か被っているんですよね。私には王冠に見えるので、どこかの国の王様かお妃様、あるいはお姫さまかと思ってたんですね。それでご本人にお会いする機会があったので聞いてみたんです。そしたら、

「王冠? 王様? う〜ん、あまり考えたことないですね(笑)。動物は好きです。ろくろを回してると、自然と何かの動物に見えてくるんですよね。この赤い帯(最初の写真)みたいなのは、失敗した食器をくっつけただけです(笑)」

陶芸家というと、たいがいは誰かに師事をして独立することが多いですが、稲垣さんは誰かに教わったという経験がまったくないという異色の経歴の持ち主。

若い頃、たまたま居候したのが彫刻家の方のアトリエで、その一角で陶芸をはじめた稲垣さん。約40年前に、知り合いに頼まれて船橋にあったサーカスレストラン(!)の中で売るグッズとして、不思議な動物たちの焼き物を大量に作ったのが最初。それらで個展を開催したのが、陶芸家としてのキャリアのスタートだったそうです。

ステンレスの網を使った陶版も素敵。作品名「b8」H 45×W 34 ¥77000
中に電球を入れて電灯として使用できる作品もあります。作品名「creature 11」 H 35×W11×D10 ¥61000

「先生がいたわけじゃないので、これをやっちゃいけないと一切なかった。色や質感を見つけるのは大変だったんですが、楽しかったんですよね」

スカートのように見えている部分は、ステンレスの網に陶板用の土を塗って焼き上げたもの。これはきっと牛のプリンセスね(多分)! 家の小さな守り神として購入される方も多いとか。 作品名「creature18」H20×W10×D13 ¥33000

中東好きで、70年代には「生き方が分からなくて」イラン、アフガン、パキスタン、インドなどを旅していた稲垣さん。作品の持つ無国籍感、ノマド感はそんなところからきているのかもしれません。

初めて英国の展示会CERAMIC ART LONDONに参加されたときの作品がこちら。ステンレスの網に土を塗って焼き上げたバスケット。何を入れるかは使う人の自由ですが、置いてあるだけで絵になります。作品名「♯7」H30×W40×D10 ¥150000


そんな稲垣さんの個展が、来月21日から東京・目白で決まりました。場所は「徳川ヴィレッジ」。徳川家が管理する瀟洒な住宅地で、住んでいる人以外は普段立ち入ることのできない場所です。

軽井沢かと思うような、緑豊かで静かな空間でのガーデンギャラリー。

広い邸宅のお庭に、一日二組限定でお招きしますということです。
なかなか遠出が叶わない状況が続いていますが、お近くにお住まいの方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


稲垣美穂ガーデンギャラリー (個展・販売会) 
1日2組限定の開催となります。お申込みいただいた先着順に、ご案内をいたします。
●予約サイト https://coubic.com/team-ai/953102 
●期間 2021年9月21日(火)~10月16日(土) 12時~16時
●定休日 日曜日・月曜日
●場所 株式会社NFB内 ガーデンギャラリー東京都豊島区目白3-9-20 徳川ヴィレッジ18号(JR山手線目白駅より徒歩3分)
●ご予約について 完全予約制での開催となります。入場料は無料です(予約サイトの都合で現地決済のご案内がありますが費用はかかりません)。お車でおこしの際は、その旨お知らせください。  

▼9/5追記
稲垣美穂さんの作品を扱うオンラインショップも開設されました

Team A I

 


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