VRのゲームで記憶力の一部が改善


認知症予防は、ゲームを使ったものやVR(Virtual Reality)を用いたものまで、最新のIT技術も用いて様々な取り組みが行われています。

中にはすでに研究され始めているものもあります。これらが認知症の予防に有効な可能性があると期待を持たれていることには間違いありませんが、一方で、まだ必ずしも有効とわかっているわけではないという点にも注意が必要です。まだまだこれから研究が必要な領域なのです。

 


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例えば、2021年の1月にカリフォルニア大学サンフランシスコ校から報告された研究によれば、Labyrinth-VRと名付けられたVRのゲームを平均69歳の高齢者に行ってもらったそうです。

これは、バーチャル世界の近所を歩きまわって、そこで課されるレベルの異なる様々なタスクをクリアしていくという没入型ゲームのようなのですが、このゲームを4週間にわたって、合計12時間ほどプレイしてもらったところ、他の従来からあるゲームを12時間プレイしてもらった人たちに比べて記憶力の一部のスコアに改善が見られたということです(参考文献1)

 

実際、このような認知機能トレーニングは、短期的な有効性を示す研究はありますが、長期的に有効なのかはまだよくわかっていません(参考文献2)。ただ、害も少ないと考えられることから、認知症予防として勧められることも多いと思います。

 
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