無月経は、不妊を招き、骨や血管などの老化も進める


いずれにしても、無月経は、不妊の原因になるので要注意です。
今、妊娠を望んでいないから生理が来なくてもいいわと軽く考える人もいるかもしれませんが、エストロゲンが分泌されないと、骨がもろくなったり、コレステロール値が高くなりやすくなったりと、閉経と同じ状態が早く来てしまうというリスクがあります。

 


無月経の対策とは?


エネルギー不足による無月経は、しっかりエネルギーを摂ることが大事ですし、エストロゲンの補充などの方法で対処します。
また、多嚢胞性卵巣症候群は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の補充などのホルモン療法や、低用量ピルなどでまず生理が来るようにするという治療をします。
治療をせずに放っておいて、将来妊娠を希望したときに慌てて治療をしても、効きにくくなってしまうというデメリットがあります。
無月経は放置せず、きちんと婦人科で治療してくださいね。

 

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取材・文/和田美穂
イラスト/Shutterstock


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