ビール通でない私も、日本の喉越し良いドライなビールは、「まずは一杯」で欲しくなる時があります。日本料理だったり、夏の高音湿度という気候が、消費者の口に合わせるとそういうテイストに寄っていったのかもしれません。
そんな中、最近「地ビール」や「クラフトビール」が店頭でよく見かけるようになりました。この一般的なビールとクラフトビールの違いは大まかに言えば作る量だそう。クラフトビールは六百万バレルまでという小規模のロットで作られ、まさにその土地の恵と人の「クラフツマンシップ」によって支えられできたビールです。そのバワリー独自のフレーバーは、ビール好きじゃない方にも支持者が多いのも魅力。
熊本にもクラフツマンシップに溢れた若手醸造家がここ数年で頭角を表し、地元の農産物を使ったユニークでバラエティに富んだクラフトビールを開発中。

生粋の熊本男子らしい情熱をビールに傾ける「ダイヤモンドブルーイング」代表の鍛島勇作さんが今回挑んだのは、ピザの名店「イルフォルノドーロ」の原田将和さんとコラボレーションした「fragolon」。

無農薬で作るのは難しいと言われる貴重な地元産のいちごと、イルフォルノドーロで大人気の自家製チーズに使われる乳酸菌を用いた何とも贅沢なビール。口に含んだ時の甘酸っぱいテイストと豊かな香りは、ビールとも断言できない、どこかオレンジワイン的な感覚。そして乳酸菌で瓶内発酵された泡は驚くほどクリーミーで、美容にも良さげなクラフトビール。ワイングラスに注いで香りを楽しみ、食前酒としてもぴったり。
こちらのfraglonは驚異の一千円超えなビールですが、この値段でもほぼ利益は皆無。鍛島さんいわく「それでもこのブランドの価値を理解いただくために私たちがやっていかなければならないこと」という思いで作られたそう。

日本だからこそ、熊本だからこそ、ダイヤモンドブルーイングだからこそのクオリティーと独自性を追求し、国内外に発信するクラフトビールです。
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