皆さん、こんにちは。梅津奏です。

 

なんだか疲れたな~というときに、妄想する「逃げ場所」ってありますか?

「緑の多いところに行きたい」「海沿いの街にある別荘(架空)に行きたい」「家族のいる故郷に帰りたい」

(友人に聞いてみたら、「猫カフェ!」と即答)

私の密かな憧れは、「本屋さんの二階に居候」というニッチなシチュエーション。

本好きなので本がたくさんあるところが好きなのはもちろんですが、本屋さん独特の静かな感じ・俗世からちょっと距離のある感じが「逃げ場所」としていいなあと思うんですよね。とはいえ完全に一人っきりだと寂しいから、うっすら人の気配は感じられそうなところがポイント。本屋さんで大騒ぎする人なんてめったにいないしね。

さて今日は、そんな私の憧れのシチュエーションを描いた本を三冊ご紹介します。


「シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々」ジェレミー・マーサー

 

さて、最初にご紹介するのはパリに実在する伝説的な書店、シェイクスピア&カンパニー書店。

ここはちょっと変わった書店で、貧乏な物書きに無料で寝床を提供するシェルターのような場所なんです。宿を借りる人たちは、履歴書代わりの「自伝」を提出し、お店の手伝いをするのが決まり。

本書の書き手は、数カ月間この書店の二階に滞在した20代後半のジェレミー。カナダの新聞社で犯罪を追う記者として忙しく働いていた最中、ちょっとした一線を踏み越えてしまったことでパリに逃げてきて、途方に暮れていたときにこの書店に出会います。

窓もひとつついているものの、書棚にふさがれてろくに光が入ってこない。本の隙間から薄れゆく陽射しがうっすらと見分けられる程度だ。いささか狭苦しい部屋ではあったが、実家の近くの市立図書館のような感じがして、悪くなかった。

パリの歴史ある書店、変わり者のオーナー、夢見る若者たち……。

キラキラしたユートピアを描いたお話を期待して読み始めたのですが、この本に書かれているのは、清潔とは程遠い環境や我の強い居住者たち、リアルな金欠事情などなど。夢もエゴも情けない現実も、この世のすべてがおおらかにつめこまれた「書店の二階」。ちょっと見学に行きたくなりました。(ホテルは別にとった上で!)


「森崎書店の日々」八木沢里志

 

二冊目の舞台は、東京神保町。言わずと知れた、日本を代表する本の街です。

主人公は、職場恋愛をしていた恋人に裏切られ、退職に追い込まれた貴子。「なんでもそこそこ」な人生を送ってきたはずが、恋も仕事も同時に失った貴子に、一本の電話がかかってきます。

「貴子ちゃん?元気かい?僕だよ、サトルだよ。」

母の弟であるサトル叔父さんは、いつも飄々とした自由人で、貴子が大人になってからはほとんど没交渉状態でした。そのサトル叔父さんが貴子の事情を知って、自分が経営する神保町の書店に住み込んではどうかと提案してきたのです。

「(略)ときには人生、立ちどまってみることも大切だよ。これはまあ、人生という長い旅における一休みさ。ここは波止場であり、君という船は、しばらくここで錨をおろしているってだけだよ。で、よく休んだら、また船出をすればいい」

読書にたいして興味がなかった貴子ですが、書店の二階で暮らし、街を歩き、神保町の人々と交流する中で、少しずつ、人生を再開する準備を整えていきます。

「余計なものはひとつとしてなく、手を伸ばせば本がそこにある、最高じゃないですか」

 

いつ行ってもワクワクする街、神保町。書店だけでなく、個性豊かな喫茶店やカレー屋さんもたくさん。写真は、去年一人で訪れた老舗喫茶「ミロンガ・ヌオーバ」。
BGMにタンゴが流れる店内で、珈琲酒を飲みながら読書してきました。また行きたいな~。


「子供はわかってあげない」田島列島

 

三冊目は漫画です。水泳部の美波ちゃんと書道部のもじくんの「ボーイ・ミーツ・ガール」物語。この夏、上白石萌歌さん主演で映画化されました。

映画はまだ観ていないのですが、キャストが素晴らしすぎやしないかと大興奮。萌歌ちゃんが美波ちゃんにぴったりなのはもちろん、明ちゃん(千葉雄大さん)ですよ!

もじくんのお兄さん(?)である明ちゃんは、とある事情で実家に縁切りされ、古書店の二階を間借りして探偵業を営んでいます。美波ちゃんのひと夏の冒険で、重要な役割を果たすキーマンでもあります。高校生二人のキュンキュンストーリーもかわいいのですが、明ちゃんと書店店主の善さんの関係性も素敵なんですよねぇ……。

「善さん 私 美波ちゃんに渡したよ 善さんに渡す分の家賃」「なので今後家賃家賃と騒がないでほしい」
「これからも家賃は発生します」
「無限地獄!?」
「そうだよ―――ん」「俺らは子供を残せるわけじゃないから」「明ちゃんとのつながりが世界のどっかとつながってたいんだ」

 

いかがでしたでしょうか。
ちょっとニッチ過ぎたかな。でも、弱っているときにこういう自分のフェチズムにあふれた妄想をつくりこんでいくと、なんだかその物語に自分が癒されるんですよね。なんという便利な自家発電システム。

さて、元気出していきましょう!(もし、妄想しても逃避しきれないモヤモヤな出来事があったら、こちらにお寄せください♪)

 
遠方に住む友人から、ハーブティーの贈り物が。写真の「新月」は、レモンバームのいい香り。説明書きには「新しいページをめくる浄化のお茶」と書いてありました。新しいことをはじめた今の私にぴったり。Aさん、ありがとうございました。今度遊びに行きます!