キャリア弱者になる危険性の高い人とは?


みなさんはいま会社から雇われていて会社員であるわけですが、心の中にはこうした二つの意識が同居しています。

「成功する」から「健やかに働き続ける」へ。キャリア新時代に40代がすべき3つのこと_img3
 

一つはもちろん「会社人」的な意識。意識が向けられる先には会社があり、会社の意思に合わせて自分のキャリアや働き方を対応させていく形になります。他方には、「職業人」的な意識があります。意識の主たる向け先は職業であり、その職業をまっとうしていく過程にキャリアや働き方の選択があります。職業人的な意識の典型はプロスポーツ選手です。雇用組織を所属チームと考えるとわかりやすいでしょう。

 

あなたの意識はこの二つがどんな割合で混合しているでしょう。「会社人意識:職業人意識」が「8:2」でしょうか、「4:6」くらいでしょうか。人それぞれにあると思います。「会社と個人の関係性をどうとらえるか」でみたとき、会社人意識の人は、おそらく「タテの主従関係」でとらえるのではないでしょうか。他方、職業人意識の人は、「ヨコの協働者関係」でとらえます。

両者の関係性をタテでとらえるか、ヨコでとらえるかの違いによって仕事・キャリアに対する態度も違ってきます。これはよくよく考えると大きな違いです。

「成功する」から「健やかに働き続ける」へ。キャリア新時代に40代がすべき3つのこと_img4
 

会社人的な意識はそれ自体悪いものではありません。ただ、その意識は過度になると問題もあります。一つには、会社人意識が依存心と結びついた場合です。「この会社に雇われるしか選択肢がない」といった状況にある人は、言わば「キャリアの弱者」です。不遇の境涯からそうなってしまった人は、もちろん社会的に保護されるべきですが、みずから進んでそういう状況に陥ることは避けねばなりません。依存心を排し、「エンプロイアビリティ(雇用されうる力)」を磨くべきです。

また、依存心が悪くねじれてしまうと、会社に要求ばかりして居座る「ぶら下がり者」になってしまうでしょう。こうした人は、「しょせん業務は会社が与えるもの。自分たちはつらい仕事でも理不尽な配属でも実直にこなしてきたのだから、主人である会社はいろいろと面倒をみるのが当然」という姿勢になります。