仕事は楽しいですか?

 

10月、品川駅のコンコースに表示された「今日の仕事は、楽しみですか。」という広告表現が「炎上」したことがありました。通勤するビジネスパーソンが多い場所での表示に加え、広告を出稿した企業の代表がツイッターで写真を投稿。これに対して「不快だ」「ディストピアのよう」などといった批判が殺到しました。その後、代表が「配慮を欠く表現だった」と謝罪し、広告掲載は1日だけで終了しました。

「仕事に楽しさを感じていますか?」「自分に合った働き方を知っていますか?」……。こうしたことを聞かれて、「楽しんでいます!」「知っています!」と即答できる人は実は少数派なのかもしれません。

私もそうでした。以前は組織に所属していたものの、「上司と噛み合わないんだよなぁ」「この会社で働いていても楽しくないなぁ」と感じることが多く、転職を重ねました。いまは、フリーランスのライターをしています。

そして、自分の好きな仕事ができて楽しい日々を過ごしています。しかし、「組織に馴染めなかった感覚」がどこかに残っておりモヤモヤを感じることもあるのです。そんなとき、『「組織のネコ」という働き方』(仲山進也著)という本に出会いました。サブタイトルには、「『組織のイヌ』に違和感がある人のための、成果を出し続けるヒント」とあります。

 


組織のイヌ、ネコ、ライオン、トラ


「組織のイヌ」という言葉は、本の中でこのように説明されています。
「飼い主に忠実なイヌのように、会社の指示命令に従順な人。自分の意志よりも社命を優先して行動する」。

これに対して、「組織のネコ」はこう説明されています。
「組織に属していても、ネコのように自由気ままな人。自分の意志がしっかりあるので会社の指示を何でも聞くとは限らない」

社命を第一とするイヌではなく、自分の意志を優先して働く「組織のネコ」という「種別」があり、それらはあくまでタイプだというのです。

組織に属している働き方の4タイプはこのように表現されます。
 

[組織の動物4タイプ]

 

「私って、ネコだったんだ!」と膝を打ちました。私が会社に働きづらさを感じていた理由を言い当てられた気持ちでした。組織に属していた頃の私は、「会社員は自分を殺し、ただ会社のためを思い行動するイヌでなくてはならない」と考えていました。しかし、この本は「組織のネコでもいいんじゃない?」という呼びかけをし、「イヌの皮をかぶったネコ」が、ネコとしての働き方を見つける方法が書かれていました。

「組織のネコとして働く方法をもっと知りたい」「ネコがイヌと共生していく方法を知りたい」。そう思い、本の著者である仲山進也さんにお話をうかがいました。