目の前のこと。これからのこと。
いつも何だかモヤモヤと悩んでいる……。
そのような方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

それもそのはず。ミドル世代は家庭、地域、仕事など、様々な場面で責任のある役割を任されることが増えます。複数の役割を担っていれば、その分だけ負荷もかかり、悩みの種も多くなるでしょう。

また、社会の変わるスピードも速く、人生の時間もこれまでよりずっと長くなりました。人生を自らデザインすることが求められるようになったからこそ、「このままで良いのだろうか」「この先どんな風に生きていけばいいのだろう」と悩む機会も増えています。

そのようなキャリアに関する悩みを、気軽に相談できる場所があることをご存じでしょうか。仕事の悩みはもちろんのこと、仕事に関わる家庭や人間関係の悩みまで幅広く対応可能な『キャリアコンサルティング』です。

ほとんどの場合が有料で実施されるキャリアコンサルティングですが、実は厚生労働省の委託事業『キャリア形成サポートセンター』では、現在お仕事をしている方を対象に無料(※)で相談することができます。
(※国の予算の範囲内で実施するため、回数には一定の上限等があります。)

今回はこのキャリアコンサルティングとキャリア形成サポートセンターについて、ご紹介します。

 


人生で経験したことすべてが「キャリア」となる


ところで、読者のみなさまは「キャリア」という言葉が何を指しているか、ご存じでしょうか。

日本では「●●キャリア」というように就職・転職支援サービスの名前として使われることも多いため、組織の将来を担う優秀な人材やバリバリ稼ぐ働き方などを示す言葉として認識されている方も多いはず。

しかし、キャリアとは本来、「積み重ねた実地の経験」を意味する言葉です(『岩波国語辞典第八版』より)。語源はラテン語で「わだち(轍)」を意味するCarrusにあり、さまざまな経験から出来上がる人生の軌跡のことを表すようになりました。キャリアは仕事に限定したものではなく、特別な人に当てはまるものでもありません。あらゆる人が持つ、その人らしい経験のすべてが「キャリア」と言えるのです。