40代はアイデンティティの再構築のとき


大学院での研究テーマは「中年期女性のアイデンティティの再構築」。自分も含めて、40代の女性がいろいろな悩みを抱えていることが気になっていたからです。

 

「40〜50代は青年期に『私ってこんなものかな』と暮らしてきた自分が揺らいで、いま一度アイデンティティを問い直さなければいけない時期。そこで、今まで子どもや夫に尽くしたと思っている人は、これからは自分を取り戻していく。今まで自分のためだけに生きてきた人は、後輩や社会に対して、自分が得てきた何を還元できるかを考える。こうやってアイデンティティの問い直しがうまくできると、老年期を心豊かに生きていくことができると思います」

 


違う自分を持っていると
うまくいかなくても逃げ場がある


実際、如月さん自身も大学院での学びが、アイデンティティの問い直しになったといいます。修了後、マインドフルネスに興味が出て、マインドフルネス瞑想の講師の資格を取得。さらに、瞑想に入る前に身体を整えている時に、「正しい身体の整え方がわからない」と感じるようになり、それがヨガを深く学ぶきっかけになりました。

「ヨガは趣味としてずっと少しずつ続けていたのですが、改めて学びたいと思ったときに、スタジオに通うんじゃなくて一気にヨガインストラクターの資格を取ろう! と決めて、RYT 200という資格を取得しました」

 

現在の如月さんは、長年培ったスキルを生かしたエディターの仕事をメインにしつつ、ヨガインストラクターとしても活動しています。

「出版社にいた頃と全く違う人生になりましたが、その決断は間違っていませんでした。一つのことしかしていないとストレスやトラブルからの逃げ場がなくなりますが、エディターとヨガインストラクターというように違う自分を持っていると、大変なことがあっても、もう一つのことをやっているうちに忘れています」