ロシアが西側諸国の制止を無視してウクライナに侵攻しました。令和の時代になっても、このような侵略戦争が起こるという現実に、気持ちが押しつぶされそうになった人も多いと思います。
今回の出来事はロシアの隣国である日本にとっても他人事ではありませんが、それでも私たちは日々、生活していかなければなりません。今回は、現時点で想定される経済的な影響について考えてみたいと思います。
ロシアは隣国ではあるものの、中国とは異なり、日本との取引はあまり多くありません。ウクライナとの貿易もごくわずかです。ロシアやウクライナと直接、やり取りしている企業にとっては大変な事態だと思いますが、日本全体としては、戦争そのものによって生活が大混乱に陥る可能性は低いでしょう。
日本にとってもっとも影響が大きいのは、米欧各国が発動するロシアに対する経済制裁です。
日本を含む米欧は今回の事態を受けて、ロシアに対する経済制裁を発表しました。もっとも影響が大きいのは、SWIFTと呼ばれる国際送金ネットワークからのロシア排除です。
SWIFTというのは国際送金を行う際に各国の銀行が利用するシステムで、これが利用できない場合、送金業務が滞ってしまいます。SWIFTなしでも送金はできますが、処理できる量が大幅に制限されますから、ロシアの輸出や輸入は激減し、経済は大打撃を受けます。
しかしながら、ロシアにとって大打撃ということは、ロシアとの貿易が多い欧州にとっても、それなりの影響を受けることを意味します。もっとも大きいのは、天然ガスと小麦の取引でしょう。ロシアから欧州に輸出されている天然ガスの取引が止まった場合、天然ガス価格の急騰が予想されます。同じく小麦の取引が制限された場合、やはり小麦の価格が上がる可能性が高いでしょう。ロシアはカニなどの魚介類も多く出荷していますから、魚の値段に影響を与える可能性も否定できません。
このところ全世界的に物価が上がっていることは、すでにみなさんご存知だと思います。
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