九州の高校生とジェンダー意識を学んでみたら
バタ:ちなみに子供がそういう意見に染まってしまったら、どうしたらいいですか?
浅田:頭ごなしに言えば、子供は「だって**がそう言ってたし」となって終わってしまうと思います。基本は親と同じで、まずは「なぜそう思うの?」と聞く。その上で「違う意見もあるよ、その背景にはこういうことがあって……」と順序だてて話していったらどうでしょうか。
ちなみに昨年、九州(大分県)で10代の学生たちとジェンダー平等について話し合う番組を作ったんですが、「男は仕事、女は家庭」などの性別役割分担意識がまだ根強く残っているなぁと感じました。学生たちも、「自分の世代はそうじゃない」と考えつつも、親や周囲の状況として当たり前に受け入れている部分がありました。
でも番組を作るにあたって、県の男女共同参画の部署を訪ね、資料を読んで勉強し、ジェンダー意識に関する取り組みを取材し……と順序だてて学んでいくと、学生たちって自然に偏った「固定概念」に気づくんです。そして、自分の考えで素直に判断して、それぞれの意見で議論してくれました。彼らの意見に私も多くの気づきをもらいまいた。
アツミ:親もキチンと勉強しなきゃいけないですね。この記事を読んでもらえたら「優生思想」周辺は、大丈夫(笑)。
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・優生思想・優生学に関して学術的に知ることができる
『優生学と人間社会』米本昌平
・障がい当事者によってわかりやすく書かれた本
『私で最後にして ナチスの障害者虐殺と優生思想』藤井克徳
・優生思想がいきすぎた結果を書いたディストピア小説
『すばらしい新世界』オルダス・ハクスリー
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アツミ・バタ:本日もありがとうございました。
取材・文/渥美志保
構成/川端里恵(編集部)
写真/shutterstock
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