パラダイムシフトの今、「美の価値観」を刷新し続けてきた美容ジャーナリスト齋藤 薫さんが、注目したいある視点をピックアップします。
4分の1は目をつぶって。それでも一秒たりとも時間を返せと思わない!
韓国ドラマの面白さは、今更ここで語るまでもないのでしょう。でもこの際、ぜひとも知って欲しいのが、韓国ノワールの異様な面白さ。
ノワールとは、黒、暗黒社会や人間の心の闇を描き出す映画のジャンルのことで、恋愛はなし。TVドラマでは正直描けないような暴力や残虐シーンが散りばめられます。
ただ聞いてほしいのが、私はいわゆるバイオレンスものやホラーものが一番苦手、アクションものも血がいっぱい出たり、痛そうなものは絶対見たくない。そんな自分が、なぜ韓国ノワールにだけはハマるのかと言うことなのです。
じつは、暴力シーンを観る際は目をつぶる。つまり韓国ノワールの場合、映画の4分の1位は画像を見ていないことになります。正直見るに耐えないシーンは、見なくても音だけで様子は分かり、それだけでたくさん。ただそこまでしても、絶対に見たいだけの面白さがあるのです。
気づいたら、CATVやネット配信で韓国映画ばかりを追っかけてたのも、ハリウッド映画よりも遥かにハズシがない。十中八九、恐れ入りましたの仕上がり。1分1秒たりとも「時間を返せ」とは思わない、映画として緻密に計算された見事な出来だからなのです。
じつは韓国ノワールにハマッたきっかけが、『グエムル-漢江の怪物』。なんと“怪物”映画です。普通なら絶対見ない映画。つけっぱなしのテレビでたまたまやっていて、ふと視界に入ってきた瞬間目を奪われ、見るはずのない映画を興奮のうちに観終わっていたのです。
後から知るのはこの映画、オスカー映画『パラサイト』の黄金コンビで作られていました。ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ主演。だから、知らずに見ても、なにこれ? なんでこんなに面白いの? そんな感じ。
怪物といっても、ゴジラの30倍位のスピードで走り回る強烈な生き物で、金縛りにあったように見続けてしまうほど異様に怖い!
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