スタイリスト福田麻琴さんが、身の回りの”愛するモノ”について語ります。

 

このビーンデザインのネックレスを始まりに、私はティファニーというブランド、特にエルサ・ペレッティというデザイナーの虜になっていくわけですが、初めてのティファニーを手にしたばかりの10代の私はまだデザイナーの名前さえ知らず、とにかくあのブルーボックスにただただ憧れて……

 

みなさんにも似たような思い出はありませんか?
なんでしょうね、あの色。
一目で女性を虜にしてしまうあの色って、もしかしてサブリミナル効果的な!? 心理的な要素も加わっているんじゃないかって思うほどに効力大です。
ティファニーブルー、ずるいぞ。
あれから何度もあげたり、もらったり、私の人生のギフトについて語るのならティファニー無しには語れません。

 

昔から服が好きで、雑誌をめくってはモデルさん達の素敵なコーディネートに夢中になり、切り抜いてスクラップブックを作ってたなぁ。
そこに度々登場するティファニーのジュエリー達。
煌びやかで、上品で、うっとりと眺めていました。
雑誌に載っているティファニーはとんでもない金額だったりしましたが、友達と勇気を出してお店に入るといくつか買えるものがありました。
それがシルバーのシリーズです。
その頃一世を風靡したのはオープンハート!
お小遣いやバイト代を貯めて自分で買った子、誕生日に彼にプレゼントされた子、私の周りにもオープンハートのネックレスをつけている友達がたくさんいました。
あの小さなシルバーのハートのモチーフが首元でキラキラ光っているのは本当に素敵で、私も夢中になりました。
でもなぜビーンだったかって?
それは私にもわかりません。
みんなと違うものがいい、というひねくれ根性だったのか、単純に豆が好きだったのか……(笑)
今でもそうですが、あの頃から甘いテイストが苦手だったのかもしれません。
少しでもカッコよく見られたい願望から、ハートよりマニッシュに見えたビーンを選んだのでしょうね。
あぁ、健気な私よ。
そんな健気な私は全ての美しいもの、新しいものに憧れて、いつか私も! と目を輝かせてばかりいました。
何かに憧れるって素敵なことです!
今、その頻度は減ったけれど、その心はいつまでも忘れたくないなぁと思います。
ヴィンテージの大きなビーンも加わり、重ね付けを楽しんでいるネックレスですが、もしかして今だからこそオープンハートを選べるかも?!
チャーミングな婦人でいたいので、可愛げはお金を出してでも身につけておかなきゃね(笑)。
 


写真・文/福田麻琴


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