ミモレ読者の皆さま、はじめまして。
元柔道家で、現役建築系学生の吉澤穂波(よしざわ ほなみ)と申します。
なんだかおかしな経歴ですよね。
少し自己紹介させていだきますと……
アスリート(柔道・全日本強化選手)、企業の広報部門OLを経て2020年12月21日・地の時代最後の日に会社を辞め、12月22日・風の時代初日より家業の小さな建設業を継ぐことになりました。埼玉県北部にある田舎町にUターンし、昨年度から建築系の専門学校に通っています。

会社を辞めて間もないころ、何か新しいことをしたい!と、〔ミモレ編集室〕 に入会したのが2021年の初め。編集室内でブログを書いたり、ほかのメンバーさんとわいわい楽しく交流させていただたりしています。
そしてこのたび、ミモレ本誌で短期連載をするという幸運をいただきました!
これから数週間、私が経験した“柔道武者修行”について、毎週水曜日にブログを更新していきます。
素敵なファッションやライフスタイルの情報満載のミモレで柔道?
しかも武者修行って! ……と、読者の皆さまの頭の中には「?」がいっぱいだと思いますが、空き時間にゆるりとお付き合いいただけたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします。
さて、私は小学校4年生から柔道を始め、29歳までアスリートとして柔道をしていました。
小さい頃から、夢はオリンピック。
アテネオリンピック、北京オリンピックと目指しましたが、その夢は叶いませんでした。

でも、ひとつ私が多くの選手と違うところがあるとすれば、海外で“武者修行”を行ったことです。
まず大前提として、日本の女子柔道選手が単身海外に渡りトレーニングを積むことはまれです。なぜならば、そんなことをしなくても強くなれるから。
日本の場合、国内の大会で上位に入ると「強化選手」(サッカーで言ったらなでしこジャパン候補でしょうか)に選出されます。そして、日本チームのメンバーとして国際大会に出場したり、ヨーロッパの強豪国が集まる合宿に参加したり、大会後に開かれる各国との合同練習に参加します。
そうやって世界で勝つための力をつけていくのです。
でもそれは、あくまでジャパンチームのメンバーとして。試合や合宿への参加は日本の柔道連盟がすべてオーガナイズ、もちろん費用も連盟持ち。
選手にとってはありがたい環境です。
さて私はというと、大学1年の時に大きなケガをし、復帰したのが4年生。なんとか学生チャンピオンになり、その後年齢区分のない全日本の大会で3位に食い込みました。
「強化選手」にも選出されましたが、その時点で国際大会の成績はほぼゼロ。
毎年夏にヨーロッパで開催される、EJU(ヨーロッパ柔道連盟)主催の大規模な合宿(ヨーロッパを中心とした強豪国の代表クラスが集まり、ひたすら合同練習をします。日本からも毎年トップ選手が派遣されていました)にも連れて行ってもらったことがありませんでした。

日本の強化選手でいれば、月に1度吐くほどキツーい国内合宿に招集され、地力をつけることができます。それは、とても大切なことです。
でも、私がなりたいのはただの強化選手ではなく、4年に1度、各階級一人だけ選ばれる「正代表」、つまりオリンピック代表です。
国内のライバルたちはすでに豊富な国際経験を積んでおり、その差は歴然としています。しかも、私の階級でトップを争うのは伸び盛りの年下の選手ばかり。
23歳となっていた私は、全日本のコーチ陣に「これから伸びるぞ」と期待されるような存在ではありませんでした。
- もし国内の大会でライバルたちに勝っても、「あの選手は国際経験がないから」と、正代表に選ばれないだろう。運良く選出されても、まだ私には世界で勝つ力がない。ならば、海外に身を置くしかない -
そう考え、大学院2年目の夏に約1カ月間、ヨーロッパで柔道をすることにしたのです。
こんな私の武者修行ストーリー、よろしければお付き合いください!
Comment