2022年春夏にデビューしたばかりのシューズブランド「SHISEI(シーセイ)」。コンフォートシューズのような歩きやすさとスタイリッシュなデザイン性を兼ね備え、ミモレ世代の新定番シューズになること間違いなしのイチオシブランドです。今回は都内にある「SHISEI」のアトリエで、デザイナーの山根真理子さんにインタビュー。オリジナルシューズの開発秘話についてお話を伺いました。
きっかけは自身の腰痛から
将来の健康美にアプローチする靴を
「以前は腰痛がひどくて、鍼やマッサージに行っても根本的な解決にならず悩んでいたんです。そんな腰痛を克服できたのは、意外にもスクワット。それがきっかけで自身の筋肉(内転筋)を鍛える重要性に気づきました。そこから、靴を履いている時にも内転筋を意識できるような、靴に足を合わせるのではなく、素足で立った時と同じ感覚で履ける“自分できちんと立てる靴” を作ろうと思いました。
街行く人を見ていると、自分の足より大きめのサイズを履いている方をよく見かけるのですが、必要以上に力んで歩いていて疲れやすくなったり、身体の歪みにつながる可能性もあり、気になっています。履いている靴によって、足は簡単に変形してしまいます。骨盤が広がったり、O脚の原因になったり全身の歪みやコリの原因にも。実は靴は健康に大きな影響を与えるもの。だからこそ、10年後20年後も美しい姿勢できちんと歩ける、将来の健康美にもアプローチできる靴を作りたいと思ったのがきっかけです」(山根さん)
構想からおよそ5年!
ビブラム社と開発したオリジナルパーツ
「作りたかったのは、見た目も美しく、履き心地も良く、しかも機能性のある靴。ビブラム社との共同開発が叶わなければ実現できなかったと思います。登山など、命をかける現場でのノウハウを持ったビブラム社のクオリティを、SHISEIを通じて女性の日常に取り入れたかったんです。デザイン画を持ち込んで、コンセプトをお話しして、ヒールパーツは手描きのデッサンからスタートして、粘土をこねて試作品を作ったり。だんだんと形になっていくのは、とても幸せな経験でした」(山根さん)
開発に2~3年、構想から5年がかりで完成したそう。足入れすると、このソールの柔らかさと、踏み込んでもかかと抜けしないフィット感の良さに驚きます。
外反母趾でも履きやすい
裸足で立っている感覚で履ける靴
「親指の付け根の部分から厚みを持たせた木型は、足の内側にも無理なく重心をかけられるようになっていて、外反母趾の方でも履きやすく、まるで裸足で立っているような自然な感覚を得られるのが特徴。足を靴に合わせるのではなく、自然に立った足の状態に靴が合わせてくれているかのよう。内側にも重心をかけやすくなっており、自然と内転筋を意識しながら過ごせるよう設計されています。骨盤が立つ感覚も得られて、姿勢もよくなり、立ち仕事も疲れにくくなりました」(山根さん)
もう我慢しなくていい、
仕事でも無理なく履けるきれいめシューズを
SHISEIのシューズは、一部の靴を除き、主にはっ水加工を施したレザーを使用。汚れにくく、お手入れも簡単。小雨の日にも履ける“オールウェザーシューズ”なので、天候が変わりやすい日のお仕事シューズとしても重宝します。またかかとがすべりにくいので、運転をする方にもおすすめです。
「ファーストコレクションから制作しているアイコニックなローファーは、中敷きと裏地の継ぎ目がなく、靴下のようなリラックスした履き心地を得られる“ボロネーゼ製法”を採用。マニッシュになりすぎず、お仕事服にもマッチするようデザインしました。ノーズの部分は通常のローファーより細めに仕上げることで、足がすらっと見えて脚長効果も期待できます。
いわゆるコンフォートシューズで、普段の洋服と合わせられるものってなかなかなくて……これはスニーカー感覚で履けるのに、ちゃんときれいに見えるので、仕事ではきちんとした印象のシューズを履かなきゃいけない方に、パンプスの代わりとして抵抗なく履いて頂けると思います」(山根さん)
機能性だけでなく、
ファッション目線で選んでほしい
SHISEIの靴を機に、お仕事シューズの選択肢を増やしてもらえたらうれしい、と山根さん。ちょっと老けてしまう感じもする一般的なコンフォートシューズとは一線を画す、ファッション性の高いデザインもSHISEIの魅力。ファッション性もあきらめず機能性もキープできる、ミモレ世代のワガママを叶えるシューズブランドです。
※ボロネーゼ製法で柔らかい革を使用しているため、足の形によっては歩いた際に左右に多少の浮きがでる場合があります。お時間がある方はぜひ試着会にお越しいただき、実際にお試しくださいませ。
取材・文/出原杏子
構成/朏亜希子(編集部)