とはいえ、これば曽祖父のものだとは知ったのはつい最近のこと。

祖母が、もう家に人を招くことも少なくなったので、私に使ってほしいと。その時に、曽祖父がお客様用にいつもこれを使っていたことを聞きました。

正直にいうと、ブルーに花柄は全く趣味ではなかったのですが、引き継ぐとは、そういうことだけではないなと喜んで譲り受けることにしました。今後は、少しハードルが高いけれど、黒い漆器や銅のアイテムなどの和と合わせてコーディネートを考えてみようと思います。

 

私が年上の人との時間の時に大切にしていることは、過去の話を聞くこと。

歳をとると同じ話を何度もしがちではあるので、うんざりするほど同じ話を聞かされることもありますが、現在に続く今までを作ってきた人たちの話を聞くことは、後々では叶わないことなのでとても重要だと思うのです。

 

そこから学ぶ古いもののことや歴史などは生きた知識になっていくのではないでしょうか。小さい頃、どんなものを食べてどんな遊びをしていたか、親との関係性や兄弟のこと、戦争の時の話しや恋愛のことなど……。

映画で観る世界や、本から読み取れる景色をもっと具体的にしたくて、取材するようなつもりで常に聴きまくっています。もっと話したかったなって後悔したくもないですしね。

 

先日、気になって手に取った五木寛之さんの著書『捨てない生きかた』の中に共感する箇所がいくつもありました。

ざっくりまとめると、「ガラクタ」は人生の宝物であるから、捨てて身軽になるよりもそれらを周りに置いて豊かに暮らそうよという概要なのですが、その中でも「簡単に物を捨てる時代、簡単に人も切るのではないか」と書かれた箇所にビクッとしました。私も、そう思っていたからです。

ものとの付き合い方は、人との付き合い方に似ているなぁと思うところもあり、大御所から見ても、最近の人付き合いはそのような傾向にあるんだなぁと。

誰もが知る人気ブランドものはものすごく大切にするけれど、それ以外は任期が終わるとパッと捨てるという行為は、人にも例えられるのではないかと思います。

人とものとの付き合い方を見直し、もっと優しさが保てる距離感を見つけ出せたらいいですよね。

まとまりのない回になってしまいましたが、最後までお読みくださいましてありがとうございました。

 

前回記事「新居引っ越し半年後の「ルームツアー」」はこちら>>

 
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