水の力のポテンシャルとメガソーラー設備の功罪
堀:水の流れで水車を回すのと同じ原理で、波や潮流、海流によってタービンを回すものや、海の表層と深層の温度差を利用したものなどがあります。九州電力系で実証実験が始まっているんですが、成功すれば、石油火力より安く、さらに太陽光や風力に比べて安定したシステムを作ることも可能だと思います。日本は島国なので、こちらのポテンシャルもすごく高いですよね。
バタ:一方で、メガソーラー(大規模太陽光発電)は、山を切り開き、森林を伐採するなど、自然破壊じゃないかという声もありますよね。
堀:そこは難しいですよね。メガソーラーでは実際に土砂災害や事故も起きていて、開発はかなり難しくなってきています。そういう中で、今は耕作放棄地をメインに、発電所のサイズも小さくなってきていますね。ただ同時に管理放棄された山林も多く、それをそのままにすることも災害にはつながります。そうしたことをふまえて、どっちをとるか。
太陽光に限らず、風力発電の野鳥被害や、近隣住民の鳴りの被害などもあるようです。完全なリスクフリーにはなかなかなりませんが、地域との共生では大事な課題です。どこまで許容してもらえるのかを話し合っていくことですよね。
アツミ:千葉県市原市では、ダムに太陽光パネルを浮かべる「水上メガソーラー」があると聞きました。こんな方法もあるんですね。(千葉県・市原市に日本最大の水上メガソーラー)
堀:ここはダムですが「ため池ソーラー」はすごく増えています。ため池は地元の水利組合が管理しているケースが多いんですが、少子高齢化で過疎化や離農が進んで、管理費が厳しくなっているんですよ。水面の利用で多少でも収入が確保できるので、うまくいけばみんな嬉しいですよね。
アツミ:エネルギー問題って地方再生とも重なってくるんですね。堀さん、すっかりエネルギー業界の最先端をいくエキスパートになられていますが、そもそも私が堀さんに出会ったときって、映画宣伝のお仕事してたじゃないですか。なぜエネルギーの分野に?
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