国葬の是非も大きな議論を巻き起こした、安倍晋三元首相の襲撃事件。事件をきっかけに旧統一教会関連のニュースが盛んとなる中、今注目を集めるキーワード「カルト」を深掘り! 社会派ライターの渥美志保とバタやんの“アツバタ”コンビがお送りしてきた連載「ニュースな言葉」、今回はミモレ編集部の坂口がジョイン。旧統一教会の問題に40年ほど前から取り組んできたジャーナリスト・有田芳生さんに、そもそも「カルト」とは何なのか、「カルト」はどのように近づいてくるのか、どうすれば「カルト」の被害に遭わずに済むのかについて聞いてみました。全三回でお送りします。

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カルトって何ですか? その教義と勧誘法は?


アツミ:今、ちまたで統一教会の問題が話題になっているじゃないですか。それで気になってることがあるんですよ。

坂口:なんでしょう。

アツミ:統一教会はカトリックのような「伝統的宗教」と区別する意味で「新興宗教」と呼ばれますが、オウム真理教と同じように「カルト」と呼ぶ人もいますよね。

坂口:でも「新興宗教=カルト」というわけでもないですよね。カルトっていうと、なんだか怖いもの、という感じですよね。

 

アツミ:じゃあカルトってなに? 何が怖いの? ということを、ジャーナリストの有田芳生さんに教えていただくという企画です! ということで、有田さん。まずは「カルト」ってなんですか?

有田芳生さん(以下、有田):「カルト」って、日本語にすれば「熱狂集団」というような意味なんですよね。統一教会だけでなくオウム真理教についても「カルト」と呼ぶメディアがありますが、正確に言えば「宗教カルト」ですね。「宗教で熱狂する集団」です。

有田芳生さん1952年京都府生まれ。ジャーナリスト。出版社勤務を経てフリージャーナリストとして活躍。主に週刊誌を舞台に、統一教会、オウム真理教事件等の報道にたずさわる。2007年まで日本テレビ系「ザ・ワイド」に出演。2010年に民主党から立候補し参議院議員となり、拉致問題、差別、ヘイトスピーチ問題などに積極的にとりくむ。

坂口:ということは、宗教以外にも「○○カルト」というのがあるってことですか?

有田:ありますよ。例えば、健康食品や民間療法などで「これをやれば病気が治る」という「健康カルト」。

アツミ:確か私が子供の頃に「心霊療法」というのが流行ってたの憶えてる。

有田:あとは「お金をみんなで儲けましょう」と熱狂する「経済カルト」。ねずみ講やマルチ商法、マルチまがい商法なども、広い意味では「経済カルト」と言えると思います。他にも、自己啓発セミナーや趣味で集まるカルトもあります。

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坂口:要するに「何に熱狂させるか」っていう違いだけ……。

有田:簡単に言えばそういうことです。