異常気象に加えて、世界的なエネルギー危機と電力料金の高騰化の中、いま注目を集めるキーワード「再生可能エネルギー」と「カーボンニュートラル」を深掘り! 社会派ライターの渥美志保とバタやんこと川端里恵の“アツバタ”コンビが、再エネ運用プラットフォームのベンチャー企業を立ち上げた堀ナナさんに「再生可能エネルギーってなに?」「原発再稼働すべき?」などを直球で聞いてみました。
「再生可能エネルギー」とは? 原発は再エネに入るの?
川端里恵(以下、バタ):「再生可能エネルギー」ってどういうもののことを言うんでしょうか?
渥美志保(以下、アツミ):「クリーンエネルギー」(二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しない、または排出量の少ないエネルギー源のこと)とか、「低炭素エネルギー」(二酸化炭素を排出しない、または排出量が非常に少ないエネルギー)っていう言葉も聞きますけど、そういうのとは違うんですか?
堀ナナさん(以下、堀):「再生可能エネルギー」の定義としては「自然の力を利用した発電のうち、“ネットで” CO2の 排出がないもの」とされています。現在開発されて市場にあるものとしては、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス(再利用可能な有機性の資源=食品廃棄物、木くず、稲わら、もみ殻など)の5つとするのが一般的です。“ネットで”というのは、例えばバイオマス発電で木や稲わらを燃やせば当然 CO2は出ます。しかし、植物はその成長過程でCO2を吸収しているので、差し引きゼロという考え方です。
アツミ:低炭素という意味では、原子力発電も低炭素ですよね。
堀:そうです。でも「自然の力を利用したもの」ではないので、再エネには含まれません。原子力は非常に効率の良い発電方法で、人間が発明したものの中で一番すごいぐらいのものだと思うんですが……大きな問題がふたつあるんですよね。
バタ:聞きたいです。
堀ナナさん映画プロモーターからキャリアチェンジして、 2011年に戦略系コンサルとして再生可能エネルギー業界へ。2016年に再エネファイナンス、再エネ発電事業者としてスピンアウト。事業開発チームをリードし、累計300億円の太陽光発電プロジェクトの組成、開発、建設に従事。代表を務める「Tensor Energy」は、「スタートアップ企業の甲子園」と呼ばれる「IVS LAUNCHPAD」で、2022年のファイナリストに。