失敗をした経験から、自信を失ってしまった人へ 【産婦人科医・高尾美穂】_img0
 

温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

 

人生、失敗したっていい

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私の番組のリスナーさんから、「今までに、ボヤを起こしたり、PTAで個人情報をなくしてしまったり、子どもを傷つける発言をしてしまったりと、自分で罪だと感じるような失敗をたくさんしてきたので、なるべく家の中にいるようにしています。
私も高尾先生のように情報を発信してみたい気持ちもありますが、表に出ていくとまた失敗をして、悩むことになるのではと心配です」というご相談をいただきました。  

まず言えるのは、世の中の人が、このような何かしらの失敗を経験していないかといったら、ほとんどの人が経験しているということです。

つまり失敗は誰にでもあります。

この方の場合も、ボヤで済んだわけですし、個人情報も悪用されていなかった ようですし、お子さんも今は元気で過ごしているようですし、リカバリー可能なミスだと考えてもいいんじゃないですかと、まずはお伝えしました。 

しかもこの方は、なるべく表に出ないようにしているということでしたが、家にいても、たとえば、ボヤを起こす可能性も、お子さんを傷つける可能性もあり、家の中でも失敗は起こり得ます。
私たちはどこにいたって何かしらの失敗はし得るのです。 

失敗をした経験から、自信を失ってしまった人へ 【産婦人科医・高尾美穂】_img2
 


私たちは毎日の生活の中でトライ&エラーを繰り返している


失敗は、何かにトライしない限りしないものですが、私たちは特に何かにトライしているという感覚がなくても、毎日の生活の中でいくつものトライをしています。

たとえば、ガスコンロをちゃんと消したり、蚊取り線香をつけてもちゃんと後始末をしたりしていることもトライと言えて、だからこそボヤを起こさずに済んでいるわけです。

そんなふうに何度もトライしているうちの1回だけボヤを起こした。ただそれだけにすぎないと思っていいのです。  

 
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