ある時マルシェの八百屋さんに並んでいたときのこと。前のマダムが買うものを何気なく見ていたら、お店の人が新しい紙袋に野菜を入れようとするのを止め、「この袋に入れて」と。彼女はもう何度も使い回しているのであろう、少しヨレヨレしている紙袋を持ってきていたのです。

それまで何の疑問も感じずに、毎度新しい袋に入れてもらっていた自分に「そうだよ、何で毎回紙袋捨ててたん!」と問いただしたくなった瞬間でした。
紙袋だって捨てればゴミだし、チリも積もれば山となるわけで。それ以降は、以前に入れてもらった袋をたたんでエコバックに入れておき、スーパーでもマルシェでも再利用するようにしています。

「ゴミを出さない」レベルが違う!フランス人のエコな日常から私が学んだこと【人気YouTuber井筒麻三子】_img0
自分のバッグから紙袋を差し出すマダム。紙袋を再利用している人は多くいて、お店の人も無駄が省けるのでニッコリシステムです。

これまた以前、フィトテラピー(植物療法)の学校に通っていたときも気づきがありました。ランチの時間、ふと見るとまだ20代のクラスメイトの子が、瓶に入ったヨーグルトを食べている。

 

彼女曰く「プラスチックが使われている製品は買わないようにしているから、瓶入りのヨーグルトしか買わない」とのこと。「正直なところ、プラスチックは便利だし、面倒だなと思うこともあるんだけど」と笑っていましたが、自分の半分ぐらいの歳の彼女が不便を押しても環境を優先することに、驚いたのです。

もちろん、植物療法を勉強しに来る子だから自然環境に対して意識が高い、というのもあると思います。でも総じてフランス人は、環境保護に対して真剣に考えています。コロナで大変だった去年でさえ、一番問題なのは?という調査に対し、コロナではなく「環境問題」と答える人が大多数だったほど。

それからは私も、ラップはミツロウラップとシリコンラップを使うようにし、どうしてもジップロック袋を使わないといけないときは、洗って何度も再利用するようにしています。また、保存容器もプラスチック製はもう買わないようにし、ガラス製を選ぶようになりました。

プラスチックだけでなく、ゴミ自体を減らす必要性も常に考えられています。2016年より大型スーパーでは食料品の廃棄が禁止され、チャリティー団体などに寄付しなくてはならない法律が施行されたのですが、今年からさらに範囲が広がり、衣料品や電気製品など、ほとんどの製品が売れ残り廃棄禁止となりました。

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こちらはパリ市内のあちこちにある、洋服リサイクルボックス。ここに入れられた洋服はチャリティショップなどに持ち込まれる仕組み。