お仕事帰りに同僚と。大切な家族や友人と。
心からおつかれさまと伝えたい日のレストランを厳選してご紹介します。
人気店出身の店主による、極上フレンチに舌鼓。
寛いだ雰囲気で味わう極上のフレンチ。スタイルは違えど、ともに人気店で経験を積んだ店主が構えたこの2軒は、どちらも行きつけフレンチに認定したくなる店だ。
◆店主は、スパイス&ハーブ使いの名手。 TeF(江戸川橋)
こんなタルト、なかなか出会えない。拍子抜けするほど素朴な風貌なのに、口にしてびっくり。焼きの強いザクザクとした生地に八角、シナモン、バナナがガツンと香る、ほかにないおいしさだ。
麻布十番の『ビストランエレネスク』でシェフを務めた福田哲也さんが作る料理は、タルトに限らず、どれも鮮やかな印象を残す。その味の濃さで知られる青森・大西ハーブ農園のハーブを鴨と合わせたメインしかり、ねっとりとしたフォアグラにねっとりした里芋を重ねた前菜しかり。ほぼ日替わりというメニューは、ハーブや香辛料の使い方、素材の合わせ方に驚きがあって、思わず通いたくなる。
◆”鳥山さんちの食卓”へ行く。 Aminima(外苑前)
パリに暮らす人々が家のキッチンで日々作る料理をエッセイ風に綴った『パリっ子の食卓』。使い込んだその料理本を手に、店主の鳥山由紀夫さんはいう。「うちの料理はこの本がバイブルです」
人気店『サリュー』でマネージャーを務めていた鳥山さんは、「ワイン担当」として、ホームパーティに招き、招かれるたびに、そうした家庭料理をふるまってきた。このほど構えた自店では、それを『ムッシュヨースケ』出身のシェフが形にする。とろとろの茄子がおいしい、クミン風味のトルコ風惣菜ムサカはそのひとつ。また、「ワインがちゃんとつないでくれます」と、山椒やかんずりなど日本の香辛料を使った料理もスタンバイ。
FRaU 2014年掲載『おつかれレストラン』より ©講談社
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