106運動を習慣にすると得られる“８つの健康効果“を知っておきましょう【産婦人科医・高尾美穂】

温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』（講談社）から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

運動が私たちの人生にもたらす
メリットは8つもあります

運動をすすめてもなかなかやっていただけないことも多いので、みなさんに、改めて運動習慣を持つことの8つの効果をお伝えしたいと思います。

1 心血管系を強くする
運動によって心肺機能が高まると、安静時の血圧が下がるので全身の血管の負担が減り、新しい血管を増やせるようになって血流がよくなり、酸素や栄養や老廃物を素早く目的地に送ることができます。
これによって疲れも取れ、体力を使う運動や作業が続けやすくなります。
また、運動をすると体内で一酸化窒素の放出量が増えますが、一酸化窒素は血管を拡張する作用があり、血管が太くなるので、より多くの血液が流れるようになります。

2 やせる、若返る 
運動をするとエネルギーの消費量が増えます。筋肉量も増えるので基礎代謝が上がります。
また、低強度の運動を長く続けると、力を継続的に出せる筋肉が発達し、脂肪が燃えやすくなります。こういったことから、やせやすくなって肥満を予防でき、体が引き締まるので、見た目も若返ります。

3 関節や筋肉へのプラスの効果 
関節や筋肉は動かさないと硬くなってしまいますが、運動をするとそれを防ぐことができ、柔らかい状態をキープできます。
また、運動をすると筋肉量が増えていくので、筋肉が発揮する力も強くなります。

4 血液の状態がよくなる 
運動をすると血中のコレステロール値の上昇を防ぐことができ、動脈硬化や狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの予防が期待できます。

5 免疫機能が高まる 
運動をすると免疫機能を担う抗体や免疫細胞が活性化するので、ウイルスや細菌などへの感染や、がんなどの病気を防ぐ可能性が高くなります。