私に嫌悪感を抱く人がいてもおかしくはない


——『神崎メソッド』は女性誌『with』の大人気エッセイ「もうメイク落としていいですか?」をきっかけに生まれた本だそうですが、単なる連載の総集編ではなく新たに取材&書下ろしで収録されたコンテンツが盛りだくさんですね。

神崎恵の行く末は?「最期まで走り続け、やりかけの原稿を遺して子や孫に呆れられそう(笑)」_img0
 

神崎恵さん(以下・神崎)「書き溜めてきた連載を再収録するだけの本にはしたくなかったので、どんどん新たな要素を増やしていきました。そのおかげで、普段から読書が好きな方々からも『読み応えがありました』という感想をいただくことが多いです。一方で、Q&A形式の原稿で私の考えをテンポ良く綴っていく構成にしたことで、活字が苦手な方々からも『この本は一気に読めました』という声が届いていて。とてもバランスの良い本に仕上がったのではないかと思います」

 

——とくに強いこだわりを注いだ部分を教えてください。

神崎「これは美容本ではなく、自分の内面やパーソナルな部分をさらけ出す本だったので、実は不安もありました。価値観や生き方は人それぞれですし、私の考え方に共感してくれる人もいるかもしれませんが、嫌悪感を抱く人がいてもおかしくありません。だからこそ、短い文章の中で、自分の考えがちゃんと伝わるような言葉を入れ込むことに神経を注ぎました。私の意図とは違うニュアンスで伝わってしまったら、肯定されても批判されても納得できないと思いましたし、各ページの見出しからちょっとした語尾に至るまで、慎重に推敲を重ねました」

——「自己プロデュース」「自己投資」「恋愛・人間関係」「子育て」など、本書にはあらゆるテーマのメソッドが100個以上も掲載されています。世代を問わず、さまざまな女性が自分のライフテージに合った生き方のヒントを見つけられるのではないかと思いました。

神崎「メソッドというタイトルではありますが、私としては、人生の裏技のようなライフハック術を紹介したつもりはありません。日頃から意識しないくらい自然に実践しているような些細な心がけをあらためて書き出してみたつもりです。もちろん私の考え方が正解とは限りません。『そんな考え方もあるのね』と、読者の方々がご自分の方法を考えたり見つけたりするきっかけになったら嬉しいです」