女性の体に起こる受難が、テクノロジーの力で緩和されていく未来が見えました
他に来日していたのは、アメリカの「Lioness Vibrator 2.0」の開発者。世界初のスマートバイブレーターで、センサーが興奮度やオーガズムを測定。スマホで自分のオーガズムのグラフを確認することができる画期的なアイテムです。開発者の方は、ほぼ毎日使っていると話していました。
「コーヒーを飲んだあとに使ったら体にどんな変化があるかなど、自分の体調の変化をチェックできます」とのこと。このコーナーでは、実際にバイブレーターを握ってみて、どのくらいの圧力でしめつけているのか体感することもできます。握ってみたら「強すぎ!」の表示が出てしまいました。思ったよりもソフトな圧力のようで、女体の神秘を体感。
他に印象的だった「Femtech」の珠玉のアイテムを挙げさせていただきます。
・「vSculpt」アメリカ
出産や加齢によって衰える骨盤底筋を引き締め活性化させることで、失禁や性機能障害を改善。赤い光・温熱・音波の3つの特許出願技術を搭載。見た目は美顔器のようですが、流線型のデザインが未来的です。
・「IMMA」イスラエル
女性が自宅で安全に、卵胞の経過を観察できるモニタリングシステム。AIによる画像解析機能と、膣内超音波診断装置を備えています。病院に行かなくても自分で随時確認できるので負担も軽そうです。
・「Pulse」アメリカ
世界初のタッチレス潤滑剤ウォーマー&ディスペンサー。特許出願中の加熱技術で、潤滑剤を理想的な温度に温めます。デザインも未来的でおしゃれ。潤滑剤を温めるという発想がありそうでなかったです。
・「MYHIXEL」スペイン
挿入してから3分以内に射精してしまう男性が、健康で自然な方法でパートナーとセックスを楽しめるようにサポートするデバイス・プログラム。筒状のデバイスで振動して射精をコントロールできるそうです。ガジェット好きのパートナーなら楽しく試してくれそうです。
・「breathe ilo」オーストリア
呼気を分析することで、月経周期と排卵日を正確に予測するサイクルトラッカー。こちらも丸みを帯びて洗練されたデザインです。使っていてテンションが上がるおしゃれなデザインは大事です。
・「Livia」イスラエル
マイクロパルスを発し中枢神経を刺激して生理痛を緩和するデバイス。ベータエンドルフィンが放出され、身体の疼痛管理反応を活性化させ、さらに痛みを抑えます。写真を見ると開発者は男性でした。生理痛に着目してくれてありがたいです。
・「ovira」オーストラリア
神経に刺激を与え、痛みの信号を脳に伝達する能力を低下させる、月経痛緩和デバイス。未来の人類は生理痛とは無縁になっているのでしょうか……。
今まで当たり前だと思っていた女性の体に起こる受難が、テクノロジーの力で緩和されていく未来が見えて、もっと遅く生まれれば良かったと思いながらも、人類の今後に希望が持てました。地球の気候変動や温暖化、エネルギー資源の問題等で地球環境はますます過酷になっていきそうですが、せめて女性の体は穏やかに、快適になっていてほしいです。自分の体をいたわることは、母なる地球をケアすることにもつながっていきそうです。まず自分が心地よくなることで、人や地球に優しくなれます。「Femtech」でパワーアップしたこれからの女性たちに地球の未来を託したい、そんな壮大な思いで会場をあとにしました。
(次回、アメリカから来日したフェムテック開発者にインタビュー!)
構成/露木桃子
前回記事「大相撲9月場所で数年分の裸体を見たような気が...懸賞旗、決まり手、みどころ満載です【観戦レポ後編】」>>
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