春先、菜の花が目につくと、真っ先に作る一品があります。それは、菜の花丼。料理研究家の辰巳芳子さんの本で覚えました。作り方はとても簡単。フライパンに少量のサラダ油(私はオリーブオイルですが)で2~3㎝に切った菜の花をさっと炒め、みりんかお酒(私は「味の母」という塩みりんを使っています)、だし醤油(カマタのだし醤油を愛用)を加えて絡めます。ご飯の上に菜の花をのせ、残った汁を少し煮詰めて菜の花にかけ、あればゆずのせん切りをのせて。たったこれだけなのですが、ご飯との相性は素晴らしく、菜の花のほのかな苦味がおいしいのです。大ぶりのお椀で楽しむ、春のささやかで贅沢なご馳走です。