幼稚園のラベリング効果を利用する


家族全員で家事を負担する場合、家族全員がモノの収納場所を把握するのが基本です。モノのありかがわからないからと、度々モノの定位置を聞いてくる人が、家事の戦力になるはずがありません。

そこで、お手本にしたいのが幼稚園です。

幼稚園では「ボール置き場」「おもちゃカゴ」「水筒置き場」など、全ての収納スペースに、モノのイラストが描かれたステッカーが貼られ、モノにはそれぞれラベルシールが貼られています。同じように自宅でも、「剝がせるシール」をどんどん貼っていきましょう。お子さんがいる家庭では、ラベルの文字やイラストを子どもに書いてもらうことをおすすめします。他人が貼ったシールと、自分が書いて貼ったシールでは、目につく度合いが大きく変わります。文字が読めない子どもでも、イラストを見れば、どこに何をしまえばよいか、簡単にわかるでしょう。

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また、ケースに複数のモノを収納する際には、必ず俯瞰で写真を撮影します。スマホの連絡ツールの家族共有アルバムにその写真を保管しておくと、出張や入院で家を離れる際にもコミュニケーションがとりやすく便利です。買い出しを頼む時にも、写真を見ながら説明できるので、買い間違いも防ぐことができます。これまで、家のモノの管理は全部妻が行なっていたというご家庭でも、家族全員がモノの定位置を正確に把握すれば、妻の負担が減るだけでなく、ノーストレスでモノを元に戻すことができるはずです。

著者プロフィール
米田まりな(こめだ まりな)さん:
整理収納アドバイザー。脚本家の祖父・研究者の父の影響を受け、茨城県・宮城県でモノに囲まれた幼少期を過ごす。2014年に東京大学経済学部卒業後、住友商事に入社し、Eコマース領域の事業投資を担当。18年より株式会社サマリーに出向、収納サービス「サマリーポケット」の運営に従事する。現在は大手不動産デベロッパーで働く傍ら、プライベートで整理収納アドバイザー(1級)の資格を活かし、副業としてイベントや雑誌監修、記事執筆など多方面で活躍中。作家・デザイナー・起業家から一般の家庭まで幅広い層に向けて片づけのコンサルティングも行なっている。著書に『集中できないのは、部屋のせい。』(PHP研究所)など。
●Twitter:@komedamarina
●note:note.com/m_komeda

 
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『あの人にイライラするのは、部屋のせい。』
著者:米田まりな PHP研究所 1650円(税込)

「服を脱ぎ散らかす」「散らかっているのに平気な顔」「趣味のコレクションが部屋を占拠」など、なにかとストレスの原因になりがちな家族の「モノ問題」。「モノが原因で3人に1人が離婚を考えた」というデータが存在するなど軽視できないこの問題を、テレビで話題の整理収納アドバイザーが「片付けメソッド」で解決します。精神論ではなく、科学的根拠に基づいた片づけ術だけに、片づけに苦手意識のある人でも実践しやすいでしょう。


構成/さくま健太
 

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