好きを仕事にできなくたって、週末だけは私のもの!


転職後の上司に、「やりたいことがわかりません!」と相談したchikaさん。金言マシーンである上司からもらったのは「人は自分の知っている範囲のものしか選べない」というアドバイス。chikaさんは自分の幅を広げるために、「これからチャレンジしたいこと」を書き出してみることにします。

北欧雑貨バイヤー
北欧ブログ
北欧カフェ
北欧イベント
    
リストに並んだのは、見事に北欧のことばかり。自分の北欧愛を再確認したchikaさんは、自由になる週末を利用して北欧ライフを満喫することに。インテリアやベランダの北欧化、お料理、ムーミン人形作りなどを「週末北欧部」と名付けたブログにつづるようになりました。

会社員を続けながら「本当にやりたいこと」を知りたくて続けた“週末”の冒険…きっとそれは私にとっての…週末ギャップイヤーだ――『北欧こじらせ日記』より

ギャップイヤーとは、高校卒業と大学入学の間に一年間の自由な猶予期間をもつこと。日本ではあまり一般的ではありませんが、若者が今後の人生についてじっくり考える大切な期間です。

平日は忙しかったとしても、週末は自分だけのものですよね。体力の回復やリフレッシュももちろん大事。でも週末の時間を「週末ギャップイヤー」ととらえてみると、過ごし方も変わってくるのではないでしょうか。

 

「夢を先延ばししていいのかな」必要な準備期間は人それぞれ


自分の「好き」を再確認し、「やっぱり私、フィンランドに関わる仕事がしたい」という思いを強くしたchikaさん。「日本でフィンランド気分にひたれるカフェを開こう!」と、修行のために週末にカフェでアルバイトをすることに。

イギリス好きのオーナーさんの話を聞きながら情報収集しているうちに、「いっそフィンランドでやりたい」「だとしたら、日本人の私が働くチャンスがあるのは寿司だ!」と方向転換!

しかし、海外転勤することになったりコロナ渦があったり、なかなか夢に向かって最短距離で進んでいけず……。「フィンランドで寿司職人になる」という夢を見つけてから寿司職人養成学校入学するまでにも、数年かかってしまいました。どんどん海外に飛び立つ思い切りのよい友人たちを見て、紆余曲折の多い自分を責めることもあったそうです。

だからきっと…
必要な時間は“先延ばし”じゃなくて“先回り”で
多少遠回りになったとしても“自分らしく挑戦するため”に必要不可欠な準備期間…――『北欧こじらせ日記 移住決定編』より

chikaさんが気づいたのは、好きと向かい合い、夢を叶えるペースは人それぞれだということ。納得できるタイミングはきっとあるから、本業の仕事を頑張って貯金する・資格習得のために勉強する・家族を説得する……自分に必要だと思える準備をこつこつ続ければいいのですね。


サンタ帽子をかぶったかわいいchikaさんが、ぷるぷる震えて喜んだり涙をほろほろこぼしたり。ままならない日々にモヤモヤすることもあるけれど、好きをしっかり抱えて生きるってやっぱり楽しい。読んでいるうちに、chikaさんがだんだん自分の分身みたいに思えてくるはずです。
 


文 /梅津奏

30代、激務の会社員が「週末北欧部」を経てフィンランドに移住するまで_img0
 


前回記事「「毎日8時間寝て、豊かに生きる」ための新しい働き方とは?『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の著者が語る」はこちら>>

 
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