フェムテック、そしてフェムケアが注目を集めている昨今、デリケートゾーンのお手入れにも注目が集まっています。ミモレストアでも2月28日からSKINis『エブリデイ吸水ショーツ』の販売を開始しました。でも「吸水ショーツに興味はあるけど、一歩踏み出せない……」とか「フェムケアってそんなに大事?」という疑問を持たれている方も多いでしょう。そこで、ミモレストアのバイイングディレクターでもあるスタイリスト福田麻琴さんが、みなさまを代表して、一般社団法人 日本デリケートケア協会 理事でエステティシャンの長渡実穂さんにいろいろ質問してきました。
Q.デリケートゾーン専用のケアは必要ですか?
A.体中のどこよりも敏感な部分なので専用ケアは必要です
福田さん「私は5~6年前からデリケートゾーン専用の洗浄料で洗い、保湿をしています。これが心地よくて、知り合いの女性にも同じ製品をプレゼントすることがあるのですが、ちょっと怪しい製品だと思われてしまうこともあって(苦笑)。彼女たちにうまく説明するためにも、なぜデリケートゾーン専用のケアをすべきなのか、教えていただきたいです」
長渡さん「わかりました! まず、膣まわりのデリケートゾーンは、その名の通り、とてもデリケートなんです。肌のバリア機能を担っている角層は、平均的に顔は10層ほどで、ボディは15層くらいだといわれています。ところがデリケートゾーンはたったの5~6層ほど。
他の皮膚より薄く、経皮吸収率が高いので、触れたものや塗ったものの成分をダイレクトに吸収してしまいます。化学成分が血液に流れ込みやすく、日常の習慣により体内に蓄積されると、生理痛や生理不順、PMS(月経前症候群)の原因にもなりかねません。だからこそ、こだわったアイテムを膣まわりに使用してほしいのです。
顔は洗顔料、カラダはボディソープと使い分けしている人でも、デリケートゾーンをボディソープで一緒に洗ってしまう方が多いようです。それが刺激となり、ヒリつきや赤み、かゆみが出る場合も。やはりデリケートゾーン専用に開発されたマイルドな洗浄料でやさしく洗っていただきたいです。
同じく、デリケートゾーン専用のセラムやクリームで保湿することも必須だと考えています。私は昔からデリケートゾーンのエステを提供しているのですが、以前は「そんなところに塗っていいの?」とか「なんとなく、あんまり触らない方がいい感じがする」と、ほとんどの方が躊躇されていて。でも今はフェムケアの概念が浸透してきたため、その大切さを説くと、すんなりと受け入れてくださる方が増えてきました。ご自身でも日常的にケアしていただきたいですね」
Q.デリケートゾーンのケアを続けると、どう違ってくるのですか?
A.デリケートゾーンのトラブル予防に繋がります
福田さん「私は、かゆみやヒリつきなど、膣まわりのトラブルを感じたことがありません。やはりデリケートゾーン専用のケアを続けているからでしょうか?」
長渡さん「関係性は大いにあると思います。膣まわりを保湿し、柔らかくしておくと、pHや常在菌のバランスが整います。さらに、しっかり保湿することで女性器の大陰唇や小陰唇のハリと弾力を保ち、外的刺激からお肌を守ります。
また、40歳以降は女性ホルモンの変化により、筋肉量が低下することで血行が悪く、粘液の分泌量も低下し乾燥しやすくなりますので、膣周りをご自身で毎日ケアしていただくことをおススメします。
デリケートゾーンは専用コスメでお手入れしたい
Q.ミモレ世代、吸水ショーツとの相性は?
A.ナプキン等の擦れに敏感なミモレ世代にこそ使ってほしい
福田さん「吸水ショーツはアクティブな若い女性向き、という印象があるせいか、ミモレ世代はまだまだ使ったことのない人が多いようです。ミモレ世代と吸水ショーツの相性はどうでしょうか?」
長渡さん「デリケートゾーンは、さまざまな神経が司っている敏感な場所なので、ちょっとした下着の擦れや素材の違和感でもストレスになってしまいます。特にミモレ世代は女性ホルモンの変化で、より敏感になりやすい年代。ナプキンやオリモノシートの繊維によるほんの少しの擦れでも、よりデリケートになってしまうかもしれません。
その点、生地の素材や縫製にこだわった吸水ショーツなら、生理の経血やオリモノだけでなく、軽い尿漏れでもサラサラとした快適さをキープ。不快感が薄れるので、どんな日でも軽やかに過ごすことができるでしょう。
さらに、吸水ショーツを履くことでその心地よさを知ると、膣まわりの状態がいかに心身に影響を及ぼしているのかを体感できるはず。そこからデリケートゾーンのお手入れへと意識が高まっていくとうれしく思います」
Q.吸水ショーツの選び方で気をつけるポイントは?
A.ミドルエイジは機能性の高いものを選んで
福田さん「現在、お手頃価格の吸水ショーツもありますよね。どの吸水ショーツを選べばいいのかわからない人が多いと思います。ミモレ世代が選ぶべき基準はありますか?」
長渡さん「ムレないタイプの吸水ショーツをオススメします。デリケートゾーンがムレると、雑菌が繁殖しやすく、かゆみやヒリつき、赤みなどのダメージを受けやすいので。特にミモレ世代は、顔やカラダだけでなく、デリケートゾーンの皮膚も薄くなりがちです。液体はしっかり吸収しても、湿度は逃がす構造になっているのがベストですね。また、ムレないだけでなく、抗菌・防臭効果があると、ニオイを気にせず快適に過ごせると思います。特に、ミドルエイジは尿漏れに悩んでいる方もいらっしゃるので、アンモニア臭を抑える作用もあれば、より良いですね。このように充実した機能が備わっていると、それはお値段に反映されると思うのです。
ただ、尿漏れは放っておかず、デリケートゾーンの筋トレ=膣トレすることも大切。膣の入り口には球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)という括約筋が存在し、膣口の締まりを調節しています。球海綿体筋は肛門括約筋と連動し、無意識に動きますが、意識して動かすこともできます。膣トレのために肛門をグーッと締めて、15秒くらいかけてゆっくり緩めましょう。これを1日50回ほど行ってみてください。尿漏れがかなり軽減されるはずです。もちろん、膣と肛門も専用ケアで保湿することをお忘れなく」
Q.吸水ショーツの色はブラックだと安心ですか?
A.生理の始まりと終わりかけならニュアンスカラーを推します
福田さん「ミモレストアでは、吸水ショーツ&ブラの色を柔らかいグレイッシュパープルにしてみました。ブラックなどダークカラーにしようかと迷ったりもしたのですが……」
長渡さん「生理の経血が漏れても目立たないから、吸水ショーツはブラックカラーが多いようですね。しかし、色にはエネルギーがあるといわれています。とある実験で、リンゴに黒い布、赤い布、ピンクの布を被せて経過観察をしたところ、黒い布のリンゴだけ早く腐ってしまったのだとか。
色は視覚だけでなく皮膚からも感じ取っていますので、身に着けるもののエネルギーは体にも作用します。
それを鑑みると、経血量の少ない生理の始まりと終わりかけなら、吸水ショーツは柔らかいニュアンスカラーがいいのではないかな、と思います。黒い色はカラダを冷やす作用がある、とも言われていますし。女性にとって冷えは天敵です!」
SKINis×ミモレのコラボによる吸水ショーツ&ブラは、女性ホルモンの変化により、心身ともにデリケートになりがちなミドルエイジを応援したくて企画が始まりました。いつ来るかわからない生理、オリモノ、クシャミで軽い尿漏れ……。そんなイレギュラーな場面を心配し、冷や冷やしながら過ごすなんて、それこそがストレスです! 伸縮性があり、縫い目のないシームレスな生地など、あらゆるストレスから解放されるように作成した吸水ショーツ&ブラ、ぜひご自身で体感してくださいね。
取材・文/藤田 麻弥
長渡実穂さん