帝王切開に「楽だよね」はとんでもない誤解
知らないがゆえのすれ違いって恐ろしいもので、出産を経験したことがない人(でも2児の父親)が、妻が“逆子”がなおらず帝王切開が決まったという人に、「自然分娩より楽だよね」と言い放ったのを目にしたことがあります。麻酔をして手術するから、自然分娩のように痛くないと思ったのかもしれません。
実際に帝王切開をした人の話を聞くと、外科的な手術であり、お腹を切るわけですから麻酔が切れたあとは激痛に悶えるそう。そんな身体で、新生児のお世話がすぐに始まるのです。
病気で手術した翌日、「今日からお世話してね」と病室に新生児が運ばれてきたら、この状況は“鬼”だなってなりますよね。筆者もこの話を聞くまでは、赤ちゃんは新生児室にいるから、産後の母親はしばらくお世話をしなくていいと思っていました。
さらに退院後も、少なくとも1ヵ月は体が痛くて痛くて、本当に大変だったと聞きました。「帝王切開は自然分娩より楽」なんて言っちゃう人には、「開腹手術して、その直後から新生児の面倒を見てから言えよ」と言いたいです。
子育て世代が謝り続けなくていいように、私たちが変わる時
とにかく知ること、当事者の話を聞くことはとても大事です。
もしかしたら、子連れの親御さんたちは外では一見、元気で普通の人と変わりなく見えるかもしれません。でも実際は、もう言葉で表現できないほどに大変なんですよね。
全子育て中の皆様には本当に頭があがりません。重ねてになりますが、外出時は謝り続けたりせず、心置きなく行きたい場所に行ってほしいです。でもそのためには、周囲が変わらなければなりません。子育ては当事者だけでなく、社会全体で支えて成り立つものだと思います。
子育てに不寛容な社会から、社会全体で子育てをするように変えていかなければなりませんね。
写真/Shutterstock
文/ヒオカ
構成/金澤英恵
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