個性を取り戻すためには、荒療治が必要なことも


今まで自分の個性、自分らしさが分からないまま生きてしまった人が、「自分はどんな人間で、どんな思想を持っていて、どんな好みを持っているのかをきちんと理解し、受け止め、出していく」ためには、かなりの荒療治が必要かもしれません。
これまで身につけてしまっている「自分らしくないもの」をそぎ落とすことが必要となってくるからです。

これは一案に過ぎず、「家庭を持っている人」には難易度が高い方法だとは思うのですが、たとえば、1週間くらい「1人で、(目的のない)静かな時間を過ごす」ことを試してみるのもいいでしょう。
そのときは、テレビやSNSなども見ないで、できるだけ情報を遮断して、自分の思うままに(のんびり、リラックスしながら)やりたかったことをするのです。そして、自己と対話することにも時間を費やし、思ったことは(誰にも見せない)ノートに書き出してもいいでしょう。

よく長めの夏休みをとるとスッキリする人が多いのは、やはりその期間で「自己を取り戻すこと」が多いからだと言えます。
ただし、予定をいっぱい詰め込んでしまうと、自己との対話がしにくいので、リフレッシュはできても、それによって「自分の個性を認識し、出していけるようになるのか」というと、微妙です。

さらに、人は、誰かと一緒にいると、「相手が求めている役割を担おうとする」ところがあります。子供の前ではお母さん(お父さん)、パートナーの前では、妻(夫)の顔になる人は多いでしょう。会社でも、上司の顔(部下の顔)など、さまざまな役割を担っているものです。
そして、それが「自分なのだ」と認識してしまっていることもあります。でも、意外と自分らしさよりも、「理想のお母さん(お父さん)、妻(夫)、上司(部下)」を演じてしまっている場合もあるのです。だから、できることなら「1人で過ごす時間」を設けることが大切なのです。
そういった静かな時間を過ごすことで、ニュートラルになり、これまで自分を覆っていた「自分らしくないもの」がボロボロと剥がれていくことは多いでしょう。

 

「自分の内側から出てくるもの」を大切に!


ニュートラルな自分になり、自分の心の声を聞けるようになると、「選ぶもの」も変わってきます。「流行だから」「評判がいいから」「広告を見て欲しくなったから」ではなく、自分が心から求めるもの、しっくりくるものを選ぶようになってきます。
身につけるものも「みんなが持っているもの」や「無難なもの」ではなくなってくる分、個性が出てくることは多いでしょう。さらに、自分なりのアレンジもするようになったら、市販の商品でも“唯一無二の物”に変わるので、ますます自分らしさが出てきます。

自己と対話することが増えてくると、今まではすぐにネット検索して「答え」を求めがちだった人も、もっと自分の意見が出てくるようになり、「自分で考えて答えを出す」ようになってくることも増えるでしょう。
そうすることで、誰かの言葉の受け売りではなく、「自分らしい思想、意見」も出てくるようになるのです。
自分の思想が変わると、言動が変わってきます。その結果、自分自身が大きく変化していくこともあるでしょう。
 

個性が出てきたときに出てくる「壁」がある


個性が出てきたときにぶつかる「壁」といえば、同調圧力を含む、個性を許さない人からの軋轢(あつれき)です。みんなと同じであることを「良し」とする人たちが、邪魔をしてくることもあります。
もちろん折り合いをつけながら、その環境にい続けてもいいのですが、その環境は、「自分らしさを取り戻す前の自分」に合っていた環境に過ぎません。「自分らしくなった自分」には合わなくなったのであれば、「今の自分」に合う環境に移ったほうが幸せになれる可能性は高いでしょう。
個性を「良し」としてくれる環境には、個性を出している人が多いもの。そういった環境に移ったほうが、より自分らしくいられるようになるかもしれません。

個性は誰にでもあります。ただし、「個性」を誤解していたり、自分すらも「自分の個性」を分かっていなかったり、個性を出しにくい環境だったりして、自分らしさを押し殺してしまっている人は少なくありません。
幸せでいるためにも、個性を取り戻したいものですね。
 

「個性」の誤解...個性がない人が、個性を持つ方法_img1
 

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