役作りのため、自ら監督に提案し16キロ増量。1日6食、卵を7個、1日2回運動も
――実はこの映画を見て、少し前に日本でニュースになった事件を思い出しました。『オオカミ狩り』の舞台は、フィリピンに逃亡した極悪犯罪者たちが護送される貨物船。ある事件の容疑者がフィリピンから送還されたニュースが彷彿とされました。演じるにあたり、実際の出来事や映像作品を参考にしましたか。
僕はキャラクターを作るときに、何か他のものを参考にしてそこから見つけるよりも監督ととことん台本について話し合って想像をクリエイトしていくのがとても好きなんですね。もちろんそれ以外に資料として見たものはありました。それはフィリピンで収監されている場所だったり環境だったり、どんな人がいるのかとか、その雰囲気などについて調べました。
――ソ・イングクさんから出したアイデアがあったら教えてください。体重を16キロも増やしたそうですが、それもソ・イングクさんが提案したのでしょうか。
実は監督は、最初ジョンドゥは痩せたキャラクターにしてほしいと望んでいたんです。ただ僕としては、痩せている悪役はこれまでもたくさん存在するため、たぶん見ている人たちもちょっと飽きてしまうのではないかと思いました。シナリオを読んだら、ジョンドゥは若いボスのような立ち位置だったので、残忍さにもう一つ何か加えたいと考えました。そこで浮かんだのが、カリスマ性でした。その残忍さとカリスマ性を表現するためには、やはり体を鍛えて体重も増やした方がいいのではないかと提案したところ、監督も喜んでくれて、体重を増やすことになりました。
ジョンドゥはタトゥーがあるのですが、あれはシールです。実は僕はテープアレルギーで、貼っているとあせものようなものが体にできてしまうんです。撮影をしているとそんなことは忘れて、タトゥーのおかげで完全にその役になりきれるのですが、宿に帰ると皮膚が荒れてしまっていて……。楽しく撮影しながらもそういう状態になるので、天国と地獄を行ったり来たりしているような、そんな撮影でした。
――16キロ体重を増やすのは大変だと思いますが、どうやったら増やせるのか、秘訣を教えてください。
秘訣は、ジムの先生の言うことをちゃんと聞くことです(笑)。1日6回食事をしました。卵を7個。しょうゆをかけた玉子ご飯が大好きなんです。あと1日2回運動もしました。そうしているうちに、体が大きくなりました(笑)。前作のスケジュールもあったので、1~2ヵ月で急いで体重を増やしました。
――いまは顔がシュッとしていますが、体重は戻りましたか。
以前よりはまだ少し多いけれど、筋肉がすごくついたと思います。運動をしていた影響で。すごく満足しています。
――体重を戻す方法とは?
自然に減りました。1日6食食べるのをやめたから(笑)。撮影で忙しくて、食べる量が減ったり、鳥の胸肉を食べたりしているうちに、ほぼ元に戻りました。
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