「自分の武器として、僕は人柄を磨いていきたい」躍進続く22歳を支えるバランス感覚【俳優・醍醐虎汰朗】_img0
 

2023年ブレイク俳優に選出させていただいた醍醐虎汰朗さんが、この春、連続ドラマで初主演を果たします。このチャンスを逃してなるものか! と、ミモレは醍醐さんに単独インタビューを試みました。

ドラマの原作は、いじめられっ子の高校生・荻野優介が送る“日常”と、その中に潜み平穏を侵略する“非日常”を描いた、古谷実の青春サスペンス漫画「シガテラ」。クランクインして2週間、撮影真っ只中の醍醐さんに、荻野役の手応えや、俳優としての意識の変化をお聞きしました。若者らしい熱さと、22歳とは思えない老成した考え方を併せ持つ、絶妙なバランス感覚。彼がわずか6年で今の場所にいる理由がわかったような気がします。

 

ーー「シガテラ」は、約20年前に発表された漫画です。リアルタイムで読んでいた者としては、あの原作が今、どうやって実写化されるのかが想像つきませんでした。醍醐さんは原作や台本を読まれたときにどう思われましたか?

物語全体としては、「とてもぶっ飛んでるな」と(笑)。ただ、演じることが決まってから原作を読んだので、荻野の“ウワーッとなる慌ただしい感じ”を「どうやって実写で演じよう」とは思いました。自分の周りにはいないタイプの人間だったので、読み解くのにだいぶ時間がかかりそうだな、とも。あと、どこか懐かしい感じもありました。恋愛がこの世の全てだと思いながら熱中するのって、学生時代以外なかなかできないことだと思うので、そこはリアリティをもって共感しました。ただ、その中にエロ、コメディ、バイオレンスもあって、難しいな〜と思いました(笑)。

ーー今の時代にこの「シガテラ」を届ける意味を考えたり、監督たちから「託されているな」と感じたりはしますか?

託されているとまでは思っていなくて。でも、すごく期待されているというか、「シガテラ」が実写化されることへのプレッシャーみたいなものは感じます。作者の方がつくりあげた世界観や作風、南雲さんという圧倒的なヒロインに翻弄されて何もかもうまくいかなくなっていく荻野など、いろいろな面白さがありますが、僕の中で大きなテーマは、さっきお伝えしたエロ、コメディ、バイオレンス。基本的にはこれを主軸に物語が進んでいくのだと思っています。ただ、枠(放送時間帯)的にも、ご覧になる方は僕よりも少し年上の方たちだと思うので、恋愛要素に関しては、どこか懐かしいな、微笑ましいなと思っていただけたら嬉しいなと思います。

個人的には、いじめられた経験みたいなものが僕にはないので、脚本を読んだときは「荻野はなんでやり返さないんだろう?」と疑問でした。でも、読解していくにつれて、やり返さないほうが楽、これ以上悪化するよりは他の楽しいこと(バイク)に逃げ込んで、あとは誰かどうにかしてくれというのが荻野なんだなと。そんな荻野を演じている身としては、もうちょっとみんな優しくなれたらいいのにな〜、狭いコミュニティーの中で自分より弱い人をいじめる人はこう見えるんだよ〜っていうのは、個人的なメッセージとして持ってはいます。


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