2000年代「敏腕衣装担当のおかげで、定着し始めた女王スタイル」

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2004年7月14日、ロンドンのウェストミンスター大学を訪問。写真:Shutterstock/アフロ

この画像のエリザベス女王は78歳。この頃、女王には衣装を担当する女性の存在がありました。その後逝去されるまで、ずっとそばで衣装の管理、デザイン、コーディネートの全てを担当することになるアンジェラ・ケリー氏。ケリー氏のファッション戦略により、徐々に女王のファッションは、アイコン化していきます。

この時のファッションを見ても、全年代と異なり、デザインこそ一見ベーシックですが、さりげない遊びと、帽子とのコーディネートが個性的に移行してきます。コート+柄物ドレスというコーデは、最新のアイコンスタイルへとつながっていくものですが、コートのデザインが当時は、エッジが効いていますね。トゥーマッチだったデザインやスタイルを削ぎ落として、ミニマムにしていく過程がまさにこの時代と言えます。

お帽子、バッグに靴も含め、全体的に、女王の最後のファッションに近くなっていることがわかりますよね。

 

2010年代「絶対的なエリザベス女王の鉄板スタイルが完成」

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2014年6月6日、ノルマンディー上陸70周年 英仏による式典に出席。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

そして記憶に新しい2020年代。キャサリン妃がロイヤルメンバー入りをされた年代です。この頃には、もうすっかり髪も輝くように美しいホワイトに。

そして、ケリー氏のミニマル化は進み、最も私たちが思い浮かべる、エリザベス女王のアイコンスタイルになりました。鮮やかなカラーのコートに、小花柄のドレス、アウターと同色のお帽子は、高さのある四角いフォルム。そして想像を超えるカラーコーデの装飾がアクセントになっています。黒の靴とバッグも、ご存知の通りの鉄板アイテム。

デザインがよりシンプルになった以外に、実はサイズが女王のお体にフィットしていることも、それ以前と異なる点で、洗練されて見えるポイントです。

また、ツイードなどのモダンで上品な素材も用いられ、まさにお手本となるロイヤルスタイルが確立された時代でした。どんどん鮮やかな色になるも、この時88歳の女王は、かくのごとく、サラリと着こなされ、在位62年の自信を感じずにはいられません。

2020年代「アイコン・スタイル+洗練&進化した、永遠の女王スタイル」

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2020年7月17日、ウィンザー城にて多額の寄付金を集めた英退役軍人に爵位を授与。写真:REX/アフロ

そして、ついに最後の2年となってしまいますが、残念ながらコロナ禍で公務の自粛を余儀なくされた頃の女王。しかしながらまだ、愛する夫フィリップ殿下はご存命で、女王もふっくらされていた頃のお写真ですが、すっかり定着したアイコン・スタイルは更に進化していました。

爽やかで美しいブルーのコートに、プリントのドレス。同色のお帽子はもちろん、お花の色はなんとフーシャピンク。更にはコートのサイドに、プリーツが施されていたりと、女王の動きに合わせて考えられたと思しき、さりげないデザイン。繊細な思いが、こうしてデザインとしてプラスされていることに感動しきり。

そして、94歳の女王の髪の色やお肌が輝いて見える色など、どれを見てもお見事。洗練され、ノーブルなファッションは、まさに女王の専売特許ですね。

女王のお姿、そしてファッションが拝見できないのは残念でなりません。しかし今後もエリザベス女王スタイルは永遠であり、英国王室の方々のみならず、私達にとっても品格ファッションのお手本として、永遠に生き続けます。


構成/高橋香奈子
 

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