戸田恵子、40年前からの“推し”が演じたブロードウェイ・ミュージカルを自ら演じる奇跡

久しぶりのミュージカルで気づいたのは、観客だった時にはわからなかった難しさ

――ヘレナ・ルビンスタインという女性について、どういう印象をお持ちですか？

戸田：“お金持ち”という印象です。すっごい大富豪(笑)。舞台を観たときもその“お金持ち”の匂いが出ていたんです。育ちが貧しかったことの反動なのか、本当のお金持ちはそういうふうには振る舞わないのでは……と思うこともありましたね。生粋のお金持ちではなく、“成り上がった”という印象。そこが強くもあり、観ていて悲しくもあり……。舞台を観たときはそう思いました。

――先ほどのお話にもあったように、今回は日本初演。想像以上の大変さがあるような気がします。

戸田：初演に限らず、ですが、ミュージカルって大変なんですよね。私自身は久しぶりにミュージカルをやるので、少しオタオタしているんですけど(笑)。 もうね、やることが多いんです。今回は初めて台本と譜面を貰って気付いたのですが、歌が多くて。「ああ、歌がメインのミュージカルなんだ」、改めて「大変かも！」と思っているところです。

込み入ったストーリーなうえに、パッとすぐに歌える心地良い曲ばかりでなく、とても難攻不落な歌が多くて……。ブロードウェイで観劇したときにはそんなことは一切感じなかったので、出演者の皆さんがお上手だったんだなぁと思いました。「え？　こんなに難しい歌を歌ってましたっけ？」って、そんな感じです。

――この作品でライバルを演じる明日海りおさんとは初共演だと伺いました。第一印象はどんなものだったのでしょうか？

戸田：今はもう、たくさん映像を観ちゃったから。でも最初は朝ドラの『おちょやん』を観ていたときに、とてもインパクトのある方で。それが明日海さんを知ったきっかけです。ちょっとほかの役者さんとは印象が違っていて。その明日海さんとご一緒すると分かってからはYouTubeや数々の作品を拝見させていただいて……。やっぱり宝塚のトップになるというのはすごい方なんだなと、そういう印象です。今はまだ、ポスターのビジュアル撮影でご一緒しただけで、お茶も飲んでないし、ご飯もご一緒してないし……。お稽古は昨日始まったばかりなので、本当にこれからですね。

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