監督より厳しい!子どもたちにスキルを磨かれる
──習い事とシッターの兼用みたいですね。
伊藤:おうちに来てくれる習い事ですよね。息子が近々朗読のテストがあるので、朗読に強いシッターさんお願いしますという依頼もありました。舞台をやっている俳優さんにお願いして、図書館でその子に合った本を選ぶところから始まって、発声の仕方とか読み方のアドバイスをして、2時間ぐらい一緒にやったみたいです。そしたらその子が朗読テストでクラスの1位になったみたいで、すごく喜んでくれました。他にも、小学校受験があるので、コミュニケーション力を高めたいという依頼があって、人前に出ることが恥ずかしい子だからもうちょっと心の扉を開かせてください、とお願いされたことがあります。難しいなと思いたんですけど、芸能の仕事もしているシッターなのでコミュニケーション力も高いし、オーディションを受けているから挨拶や自己PR仕方とかも教えられるんです。
──ベビーシッターを天職だっておっしゃってましたが、どういうときにそう感じましたか?
伊藤:全力ごっこ遊びとか本格的な読み聞かせをすると、子どもがすごく喜んでくれて、笑顔になってくれて、また先生に来てほしいって言ってくれるんです。自分が全力でやった分、子どもたちも喜んでくれる。それがすごく嬉しくて、この仕事を誇りに持てたんです。自分のことも好きになれたし、芸能でやってきたことも活かせてるって思うとモチベーションにも繋がる。
子どもたちって、ごっこ遊びのとき、すごい無理難題を言ってきたりするんです。現場監督よりも細かいことを言って来たりするので、即興で答えなきゃいけないからめちゃめちゃアドリブ力が鍛えられたり。「そうじゃない、もうちょっと高い声でやって」とか、子どもから鍛えられているなって思いますね。
インタビュー後編
限界が来る前こそ「ベビーシッター」の使いどき。子どもにもプラスなら心も軽くなる>>
撮影/柏原力
取材・文・構成/ヒオカ
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