ちなみにセルジュの前の夫、作曲家のジョン・バリーとは、結婚して長女のケイト・バリーをもうけていますが、プレイボーイのジョンの女癖に手を焼いて離婚。セルジュのあとに交際した映画監督のジャック・ドワイヨンとの間には、娘のルーを授かっています。どの相手も大物アーティスト。やはりジェーンには、彼らの作品のインスピレーション源となるような魅力があったのでしょうね。


最後のパートナーとなったのは、作家のオリヴィエ・ロラン。もっとも、ジェーンが亡くなるかなり前に別れていたようです。私はジェーンがまだオリヴィエと付き合っているときに言った、「女は40代での恋で狂い咲く。これが最後の恋になるかもしれないと思うから。要するに40代は、女にとって最もドラマティックな時期だってこと」という言葉が忘れられません。なんとなく、ジェーンは軽い恋をするよりも、深く重い、真剣な恋をするタイプに見えるけれど。その最後の恋は、どんなものだったのでしょう。

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2011年4月、震災復興のためのチャリティーイベントとして、東京・渋谷のファッションビルの前で歌うジェーン。写真:REX/アフロ

2011年の東日本大震災の際には、翌月4月に来日して復興支援のためのチャリティーコンサートを行なってくれた、愛の人でもあります。

 

クタクタに年季の入った、ステッカーを貼ったバーキンにデニム、ナチュラルな笑顔。常に自然体で生きたジェーンが遺した、素敵なエイジングの秘訣は、「よく眠ることとよく笑うこと。そして、自分のしたいことをすること」。

ジェーンのインタビューを読むと、彼女の言葉はいつも正直で、自分の弱さも隠さない潔さのある人だったと感じます。

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映画「ジェーンとシャルロット」(2021)より。写真:Everett Collection/アフロ

そんなジェーンを娘であるシャルロットが撮ったドキュメンタリー映画『ジェーンとシャルロット』が、奇しくも8月4日に公開に。娘たちに対する愛情や、長女のケイト・バリーを自死でなくしてからの悲しみなど、ジェーンの半生を自身の口から語ったというこの作品。伝説のアイコンとして生きたジェーンがどんなことを語ったのか、この目で目撃したいと思います。
 

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