毎日料理を作る妻に、罪悪感を感じる夫

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――ご自身は家事が苦手なぶん、福田さんにも「完璧な家事」を押し付けることはないわけですね。

福田 料理なんかもそうですね。夫にとって、私が料理をするのは「当たり前」ではなく、「プラスポイント」みたいな感じらしいです。むしろ、私が毎日毎日料理をしていると、「おれは何もできていないから申し訳ない。妻に負担をかけて疲れさせている自分に罪悪感を感じる」と言われて。私が疲れている時は、「今日は外食しようか」とか、「何か出前でも取ろうか」と夫から言ってくれるので、すごくありがたいなと思います。

 

――少しでも余裕が生まれたことで、福田さんは“中田さんからの問いかけ”の答えが見えてきたのでしょうか。

福田 繰り返し「目標は?」と聞かれる中で、「そう言われてみれば、やりたいことって何だろう?」ってぼんやり考え始めたんです。そんな中で見つけたものの一つが、地元である岩手の魅力を広めたいと思って始めた「南部鉄瓶」の制作でした。それに、ママ友同士で体験をシェアしたいと考えて、オンラインサロンも開設しました。それらの目標は、夫からの問いかけがなかったら、育児の忙しさで枯れていった「小さい芽」だったと思います。でも、今こうして芽吹いてきていると感じられるのは、しつこいくらいの「目標は?」攻めがあったからかもしれませんね。

――連載や本の刊行を経て、福田萌さんご自身にはどんな変化がありましたか?

福田 この本は元々「FRaU」のウェブで連載を始めたのですが、最初は「中田敦彦の妻」という、どこか「脇役」の立ち位置に甘んじていることにネガティブさも感じていて、「もっとポジティブな生き方はないのか?」みたいなことを書いていたんです。一冊にまとまった本を読んで3年間の文章を読み返すと、私すごく進化しているなと思えたんですよね(笑)。自分のことながら、たった3年でこんなに人は考え方や価値観が変わるんだなと思ったら、次の10年と言わず3年先には、私は今と全く違う世界にいるのかも、なんて考えたりしています。

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ワンピース57200円/HUNDRED COLOR(HUNDRED COLOR tel. 03-6821-1727・mail.hundredcolor@gmail.com)
 

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<書籍紹介>
『「中田敦彦の妻」になってわかった、自分らしい生き方』

著者:福田 萌 講談社 1760円(税込)

FRaU ウェブでの人気連載がついに書籍化! オリエンタルラジオ・中田敦彦さんの妻として知られるタレントの福田萌さんが、二人の出会いから結婚、突然のシンガポールへの移住の裏側、そして二人のパートナーシップのあり方と、飾り気のない素直な言葉で綴るエッセイ。妻に合わせる気のない「ジェット機型走者」の夫を妻はどう見つめ、支えているのか。想像もつかない毎日を夫と過ごす中で、妻が発見したものとは――? 本書に特別収録した夫婦対談、そして娘からのメッセージにも、二人が築き上げた心地よい関係が伝わってきます。


撮影/塚田亮平
スタイリスト/大瀧彩乃
ヘアメイク/田中裕子
文/金澤英恵
構成/山崎恵
 

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