『自分が嫌いなまま生きていってもいいですか?』が9月29日に発売となります。

これまで2冊単著を出させてもらっていますが、エッセイ集というのは今回が初めて。エッセイって良いですよね。たぶん僕が最初に読んだエッセイは、小林聡美の『マダム小林の優雅な生活』。当時から女優の小林聡美が大好き。画面の中で見せる飄々とした存在感そのままに、文体も程よく力が抜けていて。調子っぱずれな毎日をすったもんだしながらも楽しむ小林聡美のあり方に大いに笑わせてもらいました。

 

今回、僕がエッセイを書く上で大いに影響を受けたのは、村田沙耶香の『きれいなシワの作り方〜淑女の思春期病』。おひとりさまで過ごすお正月や、使ってるクリームの値段を恋人に言えないなど、いわゆる“アラサーあるある”に加え、「パリに旅行に行った」という事実が嫌味に聞こえそうでアタフタする、電車で隣に座ったサラリーマンが自分の膝の上で居眠りしたのを降車駅まで無言で耐える、など不毛な自意識が巻き起こす空回りな出来事の数々がわかりみすぎて、著者と友達になりたいと思ってしまった。

この「友達になりたい」という感覚は、エッセイを読む上で結構大事な気がします。

僕はと言うと、子どもの頃から花いちもんめでいつも最後まで残るタイプ。僕にも「あの子がほしい」と乞われる日が来るのかなと思いながら、ぼんやりじゃんけんを見守ってきた人生なので、他人から「友達になりたい」と関心を抱いてもらえるなど、微塵も考えたことはありません。

だから、自分のエッセイを読んで誰かが「友達になりたい」と思ってくれるかはまったくもって自信はないのですが、せめて読んでくれた人が自分と同じように生きるのが下手な人がいるんだな〜とちょっと安心できたり、背中の荷物がほんの少しでも軽くなったらうれしいなと思います。

すでにオンラインや各書店でも予約受付中です。気になる方はぜひチェックしてみてください。

 

新刊『自分が嫌いなまま生きていってもいいですか?』

9月29日(金)発売
講談社・刊 1430円(税込)
ISBN:978-4065331040
※リアル書店にてご予約される場合は、ISBNの数字13桁をお伝えいただくと確実です。

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