口だけじゃなく、行動が大事
兼近:芸人さんから直で連絡が来たりします。先輩芸人さんから、実はこういうことがあって、お前しか言えないんだって。結構相談を受けますね。
りんたろー。:企業とか、番組とか、タレントさんで燃えちゃうときあるじゃないですか。みんな自分なりに考えて、対策を練りますよね。そうじゃなくて、実際に燃えた経験のある人に聞いた方がいいです。全然感覚が違うので。
──兼近さんが初めて執筆した小説「むき出し」(文藝春秋)を出版した際、インタビューで「階層ごとにまたルールや正義が変わってくる。それを伝えたくて、階層と階層をつなげるハシゴになりたくて、自分が今いる場所が世界のすべてでないことを知ってほしくて、僕はこの小説を書いたんだと思う」(『MORE』EXIT 兼近大樹さんインタビュー特集「優しさにあふれた彼の人生観とは?」より)とおっしゃっていました。経済的な豊かさや生活環境、受けた教育などが異なれば、「これが“普通”」といった当たり前と思うことも異なるということですね?今の社会では、“階層”が違うと相手の背景が想像できなかったり、分かり合えない現状があると思います。バックグラウンドが違う人が理解し合うために、何が必要だと思いますか。
兼近:階層が上の人たちが動かないといけないと思います。下の階層の人がどれだけ声を上げても、上の人たちって何も思わないんですよ。「へぇ、そういう世界があるんだ」とか、「頑張ったら?」としか思えないんです。上の人たちがどれだけ下にはしごを降ろせるかだと思うんです。「こういう世界があるんだ、よかったそっちじゃなくて」で終わるんじゃなくて、実質的に何ができるか。教育に携わったりとか、できることはたくさんある。ほとんどの人はそれをしない。上の階層の人たちが下の人たちを助けてあげるっていう体制が整ったときに、初めて会話が成立するのかなと思います。
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