1人遊びで、心を整える。
捨てたはずの紙くずをすくいあげて、ポーンと転がしたり、袋をカサカサ鳴らして押さえつけたり、飼い猫はよく1人遊びをします。その一心不乱な姿は、楽しそうで何よりと思えますよね。
ところがこの1人遊び、ただ遊んでいることもあれば、狩りの練習だったり、ほかにも猫たちが自分で自分の機嫌をとっているなんていう説もあるんです。
「自分の機嫌は自分でとる」というのは、落ち込んだとき、ストレスを感じてイライラしたときなどに、自らの力で気分を立て直すこと――。
家の中で暮らす猫たちは、飼い主が長時間にわたって不在だと心が塞ぎがち。また、運動不足やご飯が気に入らないとき、引っ越しによる住環境の変化、来客時などにストレスをためてしまうこともよくあります。そういったときに感じるもやもやを晴らすために、1人遊びをして心を整えているようなのです。逆に、フラストレーションが蓄積されたままだと、ヒトに対して攻撃的になったり、物にあたったりするのはよくあること。その後、「これはいけないことなんだ……」と、ばつの悪そうな表情を見せる猫も少なくありません。
ヒトの場合も同じで、いら立ちや不機嫌さをおもてに出したまま相手に接してしまった後は、反省や後悔で複雑な気持ちになりますよね。感情が乱れたときは、その状態を誰かに悟られる前にできるだけ早く切り替えたいところです。深呼吸をしたり、簡単なストレッチをしたり、とっておきのお菓子を食べたり、気分を立て直してくれる方法を自分の中に持っておくといいよ――。猫たちは、丸い猫背の背中でそう語っています。
今日も猫にならって、マインドフルな1日を。
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文・写真/高木沙織
編集/吉川明子
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