メールでのやりとりで喧嘩に発展したことのある人は、多くいます。特に、「身内とのメール」はすれ違いやすいもの。そこには、“ある理由”が考えられるのです。
メールで仲が悪くならないために、気を付けたほうがいいことは何でしょうか。

 

喧嘩の原因は、「共通認識のズレ」であることも

 

仕事相手とのメールの場合は、誤解されることのないように、そして、失礼のないように気を付ける人は多いものです。
でも、相手が身内となると、面倒だからといって、大して説明もしないで、簡略的なメッセージになりがち。「この相手なら、これで大丈夫のはず」という甘えもあるからです。

でも、相手と共通認識にズレがあることは、多々あるもの。たとえば、夫は「フェアに作業している」と思っていても、妻は「自分ばかりに負担がかかっている」と考えているとします。
そうすると、フェアだと思っているほうが当然のように、「あれをやっといて!」とメッセージを送ると、アンフェアだと考えているほうは、「どうして、いつも私ばかりなのか。一言、『いつもありがとう』といったお礼や、『できそう?』といったお伺いがあってもいいのではないか」と腹を立ててしまうことはあるでしょう。

「相手は理解している」と思い込んでいることも


それだけでなく、意外と人は、“自分だけが分かっていること”を、上手に伝えられていないまま、「相手は分かっているはず」だと思い込んでしまうところがあります。
たとえば、「家のどこに印鑑があるのか」とか、自分が好きな場所に入れたにも関わらず、「一緒に暮らしているのだから、どこにあるかくらい分かっているだろう」というのを前提に話をしてしまうことも。でも、相手は置き場所を教えてもらっていないのだから、知らないことも多い。
こういうことがメールのやりとりでも起こってしまい、喧嘩に発展しやすくなるのです。

人は意外と「自分の頭だけで分かっている状態」であることに気づかないことも。これに近い話でいうと、私自身は原稿を仕上げるときは、一度書き終えたら、一晩置いて、頭をまっさらの状態にして読み返すようにしています。
書き終えてほやほやの状態のときは、読み返しても自分の頭の中では“分かっている”状態なので、読者さんに対して説明不足になっていても気づけないことが多いからです。

なかには、「自分の頭だけで分かっている状態」に気づきにくいタイプの人もいます。たとえば、日頃からあれやこれやと考えていることが多い人は、自分の頭の中だけで物事が進んでしまい、「相手には伝えているつもりになっている。もしくは、相手は了承していると思い込んでいる」ことがあります。
そういう人は説明不足が原因で、人との仲が壊れてしまうことが意外とあるのです。人は説明をきちんとしてもらわないと、相手に不信感を抱いたり、「雑に扱われている」と勘違いをしたりしがちだからです。

ただし、メール(特にLINE)でこと細やかに説明して長文になってしまうと、それはそれで相手に煙たがれることも。
説明が必要なときは電話にしたほうが、ニュアンスを伝えられ、すれ違いにくく、結果的に早く用事が済むことは少なくありません。
現代は、「電話はうざい」と思う人は多くいますが、結局、誤解から生じるいざこざが、一番「時間のロス」になりますしね。

そもそもメールは、すれ違いやすいもの。それは、“メールの特性”だと言ってもいいでしょう。次のページで紹介します。