“自分にあるもの”よりも“自分にないもの”に目がいく

 

人って、自分がしたくてもできなかったこと、我慢していることをやっている人がいると、ムカつくんです。ムカつくだけならいいですが、もっといくと“潰したく”なる。攻撃しないと気が済まなくなるんです。

どちらがいいか悪いかは置いておいて、会社員とフリーランスって、メリット/デメリットが反転して、どちらかにあるものはどちらかにないということが多いんです。例えば、社会保険や福利厚生、有給といったものは会社員にあってフリーランスにはない。でも働く時間や場所を決められる自由度は会社員になくてフリーランスにはある(もちろんフリーランスも職種によってはない場合もあります)。

でも、人ってどうしても“自分にあるもの”よりも、“自分にないもの”に目がいって、他人を羨ましく思ってしまいますよね。会社員のほうがマジョリティである社会で、「会社員にあってフリーランスにないもの」より、「会社員になくてフリーランスにあるもの」のほうが強調されて見えてしまう。だから、会社員に比べてフリーランスのしんどいところより、いいところになぜか目が行ってしまう。なぜか美化したり、しがらみから開放されて気ままにやってるやつら、なんて思ってしまう人もいる。実際はある意味、会社員より不自由なのに。

 

誤解されているイメージ


また、夢を追っている、趣味や好きを仕事にしているというイメージも、批判をしていた人々の心を触発する大きな原因でしょう。夢を諦め割り切って生きている、別に興味もない嫌いな仕事をやっている人からすると、そう見えてしまうのだろうと思います。

なんだかこの社会って、好きなことや夢を諦めて、“我慢している”人が大人で偉い、みたいな風潮があります。だから、好きを追う人って贅沢、身のほど知らず、調子乗ってる、みたいに思われてしまいがち。

でも、好きを仕事にするゆえのしんどさや、生計を立てないといけない以上生まれる制約、大変さは普通にあるので、思ったよりいいものではないとも思います。フリーランスは一側面から見たら、確かに夢を追っている、趣味や好きを仕事にしている部分もある、またはそういう人が比較的多いのかもしれません。一方でそもそも、フリーランスといっても業種や仕事内容は会社員と同じという人も大勢いるので、夢を追っている、趣味や好きを仕事になんて全くそんなことはない、というフリーランスの方も多いことと思いますが。