腰、肩、お尻…負荷が高いのは?「体圧測定」をやってみた
そして、いよいよ具体的に寝具のアドバイスをしてもらいます。
マットレスを選ぶ、といっても、実際自分の身体に合っているのかどうかって、なかなか自分ではわかりませんよね。種類がたくさんあるから、色々試すうちに、自分にどれが合っているのか、分からなくなってくるんです。
そこで、客観的に自分の身体に合っているか? を判断するために、「体圧測定」というものがあるんです。
マットレスに仰向け・横向きで寝たときに、全体の体圧が分散できているか、1か所に圧がかかり過ぎていないかを測定してくれます。圧力がかかっている場所は濃い赤やブルーになるので、マットレスに寝ながら一目で体の状態がわかります。
「レギュラー」と「ハード」の2種類のマットレスに寝てみましたが、どっちが心地いいか? という感覚に加え、体圧が分散できているのか? という客観的な点数も教えてもらえるため、選ぶ上でとても参考になります。岡村さんが詳しく解説してくれました。
●敷き寝具が「柔らかすぎる」場合
「人間の理想的な寝姿勢は、立って“気をつけ”をした状態のまま横になっている姿勢なんです。敷き寝具は体を受け止める役割ですが、腰とお尻の部分が、ほぼ半分ぐらいの体重を受け止めています。ですから、あまり柔らかすぎる敷き寝具だと、お辞儀しているような姿勢でお尻に圧力がかかったまま寝ていることになってしまうんです。立ってる状態でずっとお辞儀していたら、疲れるじゃないですか。理屈的には寝ている間も同じです」
●敷き寝具が「硬すぎる」場合
「逆に敷き寝具が硬すぎてしまうと、今度は腰の部分が沈まないので、背中と腰の部分に隙間ができてしまって、その2点だけで体重を支えることになります。そうすると血流が妨げられ、肩や腰の痛みにつながることも。人間は毛細血管だらけなので、血流が妨げられると身体が痺れる。それを嫌がって寝返りをするんですね。寝返りをまったくしないのも問題ですが、寝返りの回数が多くなりすぎるのも、寝具が合っていない可能性が高いからです。自分に合った硬さを見つけていくことが大事です」
好みの高さがわかる・作れる「オーダーメイドまくら」
さらに、西川といえばオーダーメイドまくらが有名です。さまざまな素材があり、好みに合わせたまくらを作ることができます。
まくらで重要なのは高さですが、自分に合ったまくらの高さを専用の器具で測ってくれるんです。さらに、実際使ってみて合わないと感じたら、何度でも調整してくれるそう。
自分に合った寝具を揃えることは「将来への投資」
マットレスやオーダーメイドのまくらは、決して安いものではありませんが、岡村さんは「眠りと寝具を見直すこと」について、こんなことを話してくれました。
「お金を使うところって、食、ファッション、住まい……人それぞれ違うと思います。特に寝具は、若い頃ほど重要視されないと思うんです。でも、年齢を重ねるにつれて腰や肩の痛み、なかなか眠れないなどの小さな不調が出てくることがあります。それは加齢によって急に始まったわけではなく、若いときからの積み重ねもあるんですね」
「ですから、自分に合った寝具を揃えるということは、1つしかない身体を大切にメンテナンスすることであり、将来への投資でもあると思います。睡眠の質が上がれば、日々のパフォーマンスも上がり、仕事もプライベートも元気に効率よく動けるようになります。少しでも睡眠のお悩みがある方は、ご自身の“眠り”を点検してみることをおすすめしたいです」
なかなか熟睡できない、目覚めがすっきりしないなど、眠りにまつわる悩みはそれぞれ。なぜ快適な眠りが実現しないのか、その原因や改善方法は自分ではなかなかわかりません。
自分の眠りを客観的に分析し、プロにアドバイスしてもらうことが、快適な眠りへの近道だと思います。眠りに悩んでいる方は、ぜひ一度プロに相談してみてください。
眠りのプロ「スリープマスター」が眠りを計測して可視化。一人ひとりにフィットした上質な睡眠環境を提案してくれます。現在、全国の西川の70店舗に「ねむりの相談所」を設置。お住まいの地域の店舗を探して、ウェブ予約もできます。
※ご相談内容、メニューによって所要時間・料金が異なりますので、詳しくはホームページでご確認ください。
営業時間:11:00〜20:00
東京都中央区日本橋1丁目4−1 コレド日本橋 地下 1階
日本橋西川 内「ねむりの相談所 コレド日本橋店」のご予約はこちら
撮影/加藤夏子
取材・文/ヒオカ
構成/金澤英恵
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