模範的な母親になろうと、近所の公園で浮かないようにしたりもした

——ちなみにアオハル(青春)を「好きなことに夢中になること」だと捉えたら、イモトさんのような既婚者や母親にも無関係な話ではないですよね。実際、最近のイモトさんはSNSでヴィンテージファッションやダンスに熱中していることを明かしていて、趣味に没頭する姿に共感している読者も多いと思います。

イモト:ダンスは今年の7月ぐらいから始めたのですが、本当に心から好きでやっていることなので、まさにアオハル(笑)。もともとプライベートでも仲良くさせていただいている森三中の大島さんがダンスにハマっていて、BE:FIRSTの楽曲を踊るために頑張って練習している姿に感動して、私もやってみたいと思ったんです。そして大島さんにダンスの先生を紹介してもらって、月に3〜4回のペースでレッスンを受けています。

イモトアヤコ「年下に嫌われたくない気持ちはわかります」先輩になっても母親になってもアオハルを諦めない理由【後編】_img0
 

——小さな子どもがいる母親にとって、仕事と育児を両立しながら自分の時間を作るのは簡単ではありません。だから産後にアオハルを諦める人もいると思いますが、イモトさんもそこで悩んだ時期はありましたか?

イモト:「母親は自分の時間よりも優先して子育てに集中するべき」という考え方があると思いますが、趣味に打ち込む今の自分が正解だと思っているわけでもなく、私も現在進行形で悩みながら試行錯誤している段階なんです。産後にびっくりするぐらいホルモンのバランスが不安定になって、無意識のうちに涙が出てきたり、精神的に塞ぎ込んでしまうことがあって。そこから2ヵ月ほど経ち、夫の母が家で子守りをしてくれている間に外出する用事があって、そのとき近所のカフェでランチしたのですが、それだけで罪悪感で胸が苦しくなったんです。「模範的な母親にならねば!」と、当時は自分で自分を追い込んでいたのかもしれません。服装に関しても、近所の公園で浮かないようなアイテムを買っていましたし。

 


——最近はインスタでヴィンテージアイテムを盛り込んだ個性派コーディネートを披露していますが、どんな心境の変化があったんですか?

イモト:機能性重視でかつ浮かないような洋服を買っても、結局は着ないんですよね。鏡に映る自分を見て違和感を抱いてしまう。その頃、たまたまフラッと入った古着屋さんで衝撃を受けたんです。赤ちゃんを抱っこしにくいゴワゴワした素材の服や、近所の公園では誰も来ていないようなド派手なカラーの服が並んでいて、試着してみたら、無性にテンションが上がってしまって。体中の細胞が喜んでいたんです。「着たいものを着ればいい。私は自由でいいんだ」ということに気づいたんです。そこから、母親であることを理由に何かを我慢するのではなく、仕事も趣味もできる範囲で楽しむようになったのですが、完全に吹っ切れたわけではなくて。今も仕事で遠方に行く際は子どもに申し訳ないと思ってしまう自分もいます。

——ダンスに関しては目標を決めているんですか?

イモト:今のところ何も考えていなくて、単純に楽しいからやっているだけなのですが、やっぱりレベルが上がったら何らかのカタチで披露できたら嬉しいですね。

——妄想レベルの話ですが、いつか大好きな安室奈美恵さんがステージに復帰する機会があったら、バックダンサーとしてコラボする可能性も?

イモト:そんなことがあったら最高ですよ! もちろんファンとしては復帰してくださったら嬉しいですけど、安室さんの潔い性格を考えると可能性が低いかもしれませんね。私としては、海外で踊ってみたい。この前、アフリカのモザンビークに行ってきたのですが、現地の人たちが道場で音楽を鳴らしながら楽しそうに踊っていたんです。それが超かっこよくて、私も踊らせてもらう機会があったのに、ぜんぜん上手くできなくて。悔しかったので、いつかリベンジしたいですね。ダンスで自分を表現できるようになれば、現地の言葉が話せなくても世界中の人と仲良くなることができると思いますし。