「ずっと編集業をやりたいと思っていたのですが、就活では縁が無かったのです。でも30歳を前に挑戦してみようと思って、未経験でも可と書いてあった専門書の出版社を受けました。最初は契約社員からのスタートでしたが、入社して4年目で、正社員登用の試験に合格して正社員になれました」

学生時代からの夢だった出版社での編集業に就くことができた日菜子さん。しかし、仕事を優先するあまり妊娠を先送りにしてきたといいます。

「夫とは、30歳の時に結婚しました。共通の友人の家で集まって飲み会をした時に知り合い、話題も豊富で、一緒にいて楽しかったんです。海外の映画の配給業務や日本語版の制作などを行う制作会社に勤務していました。夫は趣味を大事にするタイプで結婚願望はなかったんですよね。一方で私はちょうど転職したばかりで、埼玉にある実家から通勤するのを負担に感じていました。そこで、都内に住んでいる夫と同棲を始めたのがきっかけとなり、その後入籍しました」

日菜子さんの夫は、週末になるとロードバイクと呼ばれる自転車でツーリングに出かけていきます。日菜子さんは、身体を動かすのはあまり好きではないため、週末は別々に過ごすことも多いそうです。

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「私は週末も仕事で出社し、家にいないこともよくありました。夫は仲間たちとロードバイクで出かけ、日帰りで登山やキャンプを楽しんでいました。二人とも、お互いが好きな時間を過ごせる関係が心地よいって思っていたんです。でも、やっと私も正社員になって仕事も落ち着いてきて、ふと“子どもをどうしよう”って思ったんです……」