お仕事帰りに同僚と。大切な家族や友人と。
心からおつかれさまと伝えたい日のレストランを厳選してご紹介します。

ジメジメと鬱陶しい梅雨時は食欲も落ちがち。そんな時季にうってつけなのが、旨い肴がつまめて、〆に喉越しのいい麺が待っている和食店。居酒屋感覚で使えて、料理も雰囲気も居酒屋以上の名店をご紹介します。

"うまいもん"と、呼びたくなる蕎麦屋
蕎麦と酒 旭(西麻布)

純せいろ(十割蕎麦)¥1000。挽きぐるみの蕎麦粉100%で打った蕎麦は、香りもしっかり。つゆはぜひ、蕎麦湯で割って味わいたい。

西麻布交差点のほど近く。外苑西通り沿いでひと際目を引く赤い提灯。居酒屋!? と思いきや、ガラス越しに蕎麦打ち場が。驚くほど脂がたっぷりのった、いやが上にも酒が進むマグロのベーコン、甘いたれとあられでアクセントをつけたポテトサラダ……。ひとひねりした肴が旨くて、蕎麦屋と言い切ってしまうには、もったいない! もちろん、主役の蕎麦も真っ当。麺もさることながら、カツオだけでとったダシを、半生返しと呼ばれる返しと合わせたつゆは、カツオブシと醤油の香りの立ち方が違う。朝5時までやっているので、飲んだ後の〆に立ち寄るのもいい。

マグロベーコン¥1200。マグロの腹の希少な部分をさく取り。塩漬けを炙ったベーコンは、適度に脂っぽさが抜けて、旨味が濃厚に。
蕎麦屋らしからぬインテリアが、西麻布らしい!?一枚板の大きなテーブルや、奥には掘りごたつ式の個室もある。


【蕎麦と酒 旭】
東京都港区西麻布3-13-14  LA・RES西麻布1F  tel. 03-3497-5299  16:00~翌5:00 休日:不定休  カウンター3席  テーブル30席  旭のポテトサラダ¥750、白ワイン(ボトル)¥4000~(すべて税込)

このページは、女性誌「FRaU」(2013年)に掲載された
「おつかれレストラン」を加筆、修正したものです。
撮影/小出和弘 取材・文/齋藤優子 構成/藤本容子